出版社内容情報
【セールスポイント】
ゲーム理論を越えるセオリー、それはドラマ理論!
【発刊の目的と内容】
ドラマ理論とは、ゲーム理論の合理的選択という枠組みを越えて、各決定主体による自律的な意思決定行動を取り扱う新しい考えである。日本においては、まだまだ盛り上がりに欠けるものの、ゲーム理論の閉塞感を打破できる新しいセオリーとして期待されている。
本書は、多主体複雑系における意思決定モデルとして研究が進められつつあるドラマ理論を軸に、現代社会を読み解く一つの切り口として企画するものである。
【購読対象者】
○社会科学,情報科学・数理,経済学専攻の学生,大学院生
○知的好奇心のある一般の方
【詳細目次】
序章 本書のテーマと構成
序-1 多主体複雑系の研究プログラム
序-2 本書の構成
第Ⅰ部 概説編
第2章 多主体複雑系の理論
2-1 システム思考
2-2 意思決定システム科学
2-3 多主体複雑系の理論への展開
第3章 多主体複雑系のモデル
3-1 ゲーム理論
3-2 ハイパーゲーム分析とソフトゲーム理論
3-3 ドラマ理論
3-4 ランドスケープ理論:人工社会でのアライアンス形成
第Ⅱ部 詳細編
第4章 知的ポリエージェント学習モデル
4-1 知的ポリエージェント学習モデルとは
4-2 問題状況の学習と解の概念
4-3 I-PALM:モード2の研究
第5章 ソフトゲーム理論
5-1 合理性と感情
5-2 感情と情報
5-3 正直な主体と信用できる主体
5-4 ゲーム,ソフトゲーム,そしてドラマへ
第6章 ドラマ理論
6-1 ドラマ理論におけるドラマ
6-2 敵対分析
6-3 敵対分析の遺伝子組換え食品問題への適用
第7章 ランドスケープ理論の拡張
7-1 ランドスケープ理論の基本的な考え方
7-2 既存理論の限界とその拡張
7-3 拡張したモデルの現実への適用
参考文献
内容説明
ドラマ理論をはじめとして、まさに社会の「現在」を読み解くのに不可欠ないくつかの枠組みを、多主体複雑系という統一的な視点に基づいて見通しよく記述しようというのが本書のねらいである。それぞれの枠組みは、いずれも、学問的にきちっとした体系として提案され、現在さまざまに研究が進んできている最新の話題である。特に、本書のテーマであるドラマ理論は、人間や社会の動きを合理性の概念に基づき記述しようとするゲームという比喩ではなく、感動と驚きに満ちたドラマという比喩でとらえる理論である。すなわち、感情や非合理性により重点を置いて対象をとらえようとする枠組みといってもよいであろう。
目次
第1部 概説編(多主体複雑系の理論;多主体複雑系のモデル)
第2部 詳細編(知的ポリエージェント学習モデル;ソフトゲーム理論;ドラマ理論;ランドスケープ理論の拡張)
著者等紹介
木嶋恭一[キジマキョウイチ]
1980年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。現在、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授、東京大学大学院総合文化研究科教授(併任)
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