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内容説明
村上春樹を経て、エヴァ、ピングドラム、AKB48へ。ポップカルチャーの思考はどこまで届くか。
目次
1 偶有性・共同性・他者(一九九〇年代における偶有性の感覚―村上龍、村上春樹、そして庵野秀明;九〇年代アニメは「外部」をどう語ったか;「蜂蜜パイ」・『輪るピングドラム』における分有への意志―一九九五年/二〇一一年以後の“生存戦略” ほか)
2 戦争あるいは暴力の表象(ナウシカはなぜ空を飛ぶのか;大和からヤマトへ―現代アニメの始発をめぐって;受苦の七〇年代―『ブラック・ジャック』から)
3 物語/キャラクター(身体と内面の創出をめぐって―小説とマンガを同期させながら;マンガキャラクターが生きる時間―つげ義春と上村一夫;物語とサンプリング―『新世紀エヴァンゲリオン』『ほしのこえ』から『ノルウェイの森』へ ほか)
著者等紹介
千田洋幸[チダヒロユキ]
1962年生。岩手県水沢市(現奥州市)出身。東京学芸大学卒業、同大学院修士課程修了、立教大学大学院博士後期課程満期退学。現在、東京学芸大学教授。島崎藤村を中心とした日本近代文学研究から出発し、その後、ジェンダー・スタディーズ、国語教育のテクスト研究、ポップカルチャー研究等の領域に関心を広げる。『F』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サイバーパンツ
16
文学研究者によるポップカルチャー論。その取り扱い範囲はアニメ、漫画、小説、アイドルなど多岐に渡り、90年代アニメについては特に目新しさはないものの、その他はどれも総じてレベルが高く面白い。特にピンドラと蜂蜜パイについての論は素晴らしかった。『輪るピングドラム』と『蜂蜜パイ』は「運命」に立ち向かうために他者相互の新たな連帯(『蜂蜜パイ』では「蜂蜜」を、『輪るピングドラム』では「愛や過去や罪や罰」を共有する)を持って対抗する物語という点では似通っているが、思想としては真反対に位置する。2016/05/15
壱萬参仟縁
5
新刊棚より拝借。大衆文化とはいえ、アニメはちょっとついていけない。子供もいないので疎い。偶有性と有限性がキー概念とのこと(193頁)。被災地に立つAKB48(62頁~)。育成、選挙(64頁)。擬似二人称の歌詞(66頁)。ただ、気になるのは、他の歌詞もそうだが、「きみ」という抽象的な聴き手の匿名性か。ブームのはかなさは何にもある。中年の評者からすると、コンテンツにはついていけない。むしろ、子供の方が内容を理解していると思う。だから、面白さを感じるには、コンテンツが共有されないといけない類の代物であった。2013/07/01
わんにゃん
3
セカイ系について何か知識を得たいなと思って手に取ったが思わぬ収穫が多かった。特に 「まどマギ」については褒めちぎっている論評しか読んだことがなかったため、これは新鮮。「輪るピングドラム」と「蜂蜜パイ」の考察なんかもとても面白かった。視野が広がった。2021/06/05
k.ichihara
2
AKBの偶有性について論じた項がとても印象深かった。自分という存在が交換可能であると意識するアイドルという定義づけは面白い。AKBに共感を寄せる女性ファンについてもさらに分析可能であると感じた。2017/03/13
ぼっせぃー
1
2023年に読むとインターネット老人会という感があまりに強い。大塚、宇野あたりを読んできたので、いまひとつ腰が座っていないというか、シンプルに長さが足りていない。時代反映論にも作品論にもなりきれておらず、同時代の論者の批評を繋ぎ合わせてたり、逆を張ってみたりしているだけにしか思えず、インターネットのどこかで誰かが言っていた内容の継ぎ合せに感じられた。サブカルチャー評論なんてものは依っているコンテンツが旬を過ぎてしまえば読む気も半減というところで、この独創性の乏しさでは先々まで引かれるには厳しい著作だろう。2023/06/13
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