内容説明
『源氏物語』の翻訳や現代語訳という研究テーマは、それぞれの訳の特徴にとどまらず、訳が生み出される歴史的、文化的背景を明らかにするという重要な問題と密接に関わっている。さらに世界文学としての『源氏物語』/日本文学としての『源氏物語』がいかにあり、今後どのように展開していくか、本巻はその過去・現在・未来をも視野に収める。
目次
1 海外の翻訳(末松謙澄の英訳;英訳『源氏物語』の文学空間―ウェイリー訳とサイデンステッカー訳を中心に;ロイヤル・タイラーの英訳について;ルネ・シフェールの仏訳について;豊子〓(がい)と林文月の中国語訳について ほか)
2 国内の現代語訳(歌/物語/翻訳―与謝野晶子『新訳源氏物語』が直面したもの;与謝野晶子の『新新訳源氏物語』の執筆・成立の経緯;現代語訳と近代文学―与謝野晶子と谷崎潤一郎の場合;谷崎潤一郎訳『源氏物語』の出版戦略;「読みやすさ」の衣をまとって―円地文子訳と瀬戸内寂聴訳 ほか)
著者等紹介
河添房江[カワゾエフサエ]
東京学芸大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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