内容説明
和洋の調和的実現こそが近代の理想的な在り方ではなかったか。漱石の焦燥と龍之介の空無感の対極として在る、明治20年前後の「幻の時代」を探る。
目次
「三四郎」論―美禰子・その絵画的造形について
「三四郎」論二―東京・“集まり”の人々
「それから」論―二つの「悪戯」を視座として
「門」論―“罪”の揺曳・“信頼”のゆらぎ
「文明開化」と大正の空無性
“開化期物”の中の「文明開化」
鹿鳴館・そのイメージの輪舞
芥川龍之介の「不思議なギリシア」
著者等紹介
海老井英次[エビイエイジ]
1938年東京都生まれ。九州大学文学部卒業。北九州大学助教授・九州大学教養学部教授などを経て、現在は九州大学大学院比較社会文化研究院教授。著書に『芥川龍之介論攷』(桜楓社)。編著書に『芥川龍之介<鑑賞日本現代文学>』(角川書店)、『芥川龍之介研究文献目次細目稿』(叙説舎)、『編年体・大正文学全集第五巻』(ゆまに書房)など。共編に『芥川龍之介全集』(岩波書店)
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