内容説明
伊藤左千夫の文学活動は実質的に明治33年(1900)正岡子規との出会いによって開花し、大正2年(1913)の没年まで13年間とそう長くはない期間に、実にさまざまな多様な文学作品を残した。短歌・長歌・新体詩・俳句・写生文・小説・歌論・俳論・随筆・評論・宗教論・茶論などがそれである。今回、生誕135年、没後85年(平成10年)を迎えたことを記念して、短歌を中心にジャンル別にし、左千夫の歌が名歌も含めてわかりやすく感じとれるように編集した。また、脚注をつけて作歌の事情や心情、歌の背景などがわかるように心がけた。収録した作品は、短歌1483首、長歌36首、旋頭歌3首、詩8編、俳句34句である。
目次
牛飼の歌―乳牛改良社・茅の舎
新年の歌―頌歌
故郷の歌―愛郷歌・思郷歌
九十九里浜の歌―大自然の景観
正岡子規讃歌―師への思慕
歌友・門人への歌―交友・交遊
名園訪問の歌―百花園・菖蒲園・吉野園・木下川梅園
茅場町の庭―自然の嘱目
家族とともに―両親・妻・子への思い
生活の歌―日々の感慨〔ほか〕