内容説明
己の髪の毛をつかんで己を吊すがごときモノローグ的自閉世界から二つの認識の出会いによる対話的構造の世界へ。―漱石晩年の芸術的転回。新たな文学的地平を克明に照射する創意の論。
目次
1 薄ら寒さと春光と―「硝子戸の中」における「過去」
自然という名の「相対」と「絶対」―「道草」論第一
内言と論評―「道草」論第二
閉じられぬ「完結世界」―「道草」論第三
「天」のアイロニー―「明暗」の光学
「こゝろ」の二十の「景観」―非注釈的注釈への試み
「私の個人主義」における「過去」―「道草」の方法一つの序説
「道草」から「明暗」へ―その連続と非連続
「明暗」―その隠れたモティーフ
漱石と老荘・禅 覚え書
漱石晩年の思想―ジェイムズその他の学説を手がかりとして
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- 和書
- 脳の神話が崩れるとき