内容説明
風を孕んで駆け抜け、不断に自らを生成し続けた漱石の自己劇化を追う…。
目次
自己検証の旅―「坑夫」・意図と方法
〈発見〉される女たち―「三四郎」・浮上する主題
〈文明批評〉のタブロオ―「それから」解読
罪の子との〈共生〉―「門」再論
〈趣向〉としての須永市蔵―「彼岸過迄」管見
蛇の記録、〈聖者〉の語録―私説「行人」
反噬する〈謎〉―「こゝろ」の構造が語るもの
漱石の小品―「夢十夜」の「第三夜」を中心に
「三四郎」評釈
「門」の意図
「行人」の主題―とくに〈二郎説話〉の意味するもの
「こゝろ」を読む・Kの意味―その変貌をめぐって