感想・レビュー
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ヴェネツィア
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「かるかや」、「さんせう太夫」、「しんとく丸」、「をぐり」、「あいごの若」、「まつら長者」と6つの説経を収録(感想は「をぐり」のみ)。主人公の小栗は鞍馬の毘沙門の申し子だけあって幼少より知力に優れ、また横山屋敷に乗り込んでは誰にも御することができなかった鬼鹿毛を乗りこなしと武力にも秀でていた。そんな希代の英雄小栗が、いとも容易く毒の酒に命を落とす。そこで想起されるのはゲルマン神話の英雄ジークフリートである。相互に無関係ではあるのだが、その相通性は興味深い。ジークフリートとは違って小栗は甦るのだが。⇒2018/05/25