出版社内容情報
仏人ジャーナリストが懐深くに飛び込み、大胆かつ細やかに著した評伝の決定版。全90作品が映し出す日本社会論など、ファン必携。
フランスで山田洋次作品を普及するジャーナリストが監督の懐深くに飛び込み、大胆かつ細やかに著した評伝の決定版。旧満州での生立ち、『こんにちは、母さん』まで全90作品の魅力、作品が映し出す日本社会論など、ファン必携。
【目次】
日本語版への序文
まえがき
第1部(1931-1968)
豊中から大連へ
腹を空かせた男
最初の歩み
第2部(1969-1976)
伝説のはじまり
目の奥の日本
高みに向かって
第3部(1977-1983)
成熟
ずっと好調
最初の転換
第4部(1984-1990)
日本のほんとうの顔
聖杯を求めて
昭和から平成に
第5部(1991-2003)
さらなる高みへ
悲しみのとき
新しい自分をつくる
第6部(2004-2019)
どの歴史?
立ち止まることなく
源流に戻る
第7部(2020-)
映画バンザイ!
バック・トゥ・ザ・フューチャー
あとがき――夢は終わらない
訳者あとがき――寅さんとはだれだったのか
参考文献
山田洋次監督映画一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
68
山田洋次の生い立ちから映画人生を「こんにちは、母さん」までの監督作品90作品のそれぞれの解説とともに語り尽くす800ページの力作。著者はフランス人ジャーナリストで、まだフランスでは広く知られていない山田洋次のことを伝えたくて書いている。満州からの引き上げや、両親の離婚という体験が、故郷や家族愛に拘り続けた作品作りに多大な影響を与えているようだ。時代時代で、その時々の日本人と日本の風景を映し取ってきた映画は、日本人の心に染み渡ってきたのだ。読みながら映画の様々なシーンが蘇ってきた。2025/06/16
TATA
29
800p、9000円というところにまず度肝を抜かれますが,山田洋次監督の作品に触れながら日本社会の変遷についての実にしっかりした文章。それを日本通のフランスの方が書かれたことにさらに驚愕。BSテレ東で毎週やっている寅さんをずっと見ているしと、寅さんシリーズに関するところを中心に通読。旅行ガイドさながらに毎回日本のさまざまな風景を見せてくれていたのは日本の田舎に思いを寄せてくれていたからと読んで納得。今更ながら渥美清さんと倍賞千恵子さんのファンになること必至です。2025/07/19
Go Extreme
3
人間味あふれる寅さんの映画 観客を幸せにする寅さんの輝き 日本人の日常と人間関係への深い理解 世界に山田洋次作品を伝える使命 人々の記憶に刻まれるべき山田作品 評価されない日本の映画監督 大衆蔑視のスノビズムの犠牲者か 「笑い」が苦しい時に人を救う 「庶民の日本」はめったに紹介されない 日本文化は「異国趣味」として認識される 日本人の適応主義への警鐘 消滅しゆく共同体への眼差し 失われゆく共同体に焦点を当てる 経済格差や高齢化へのペシミズム 小津安二郎監督を思わせる映画製作 質を追求する職人的な映画作り2025/05/16
takao
0
ふむ2025/06/02