出版社内容情報
基地反対闘争の最前線に身を置き続ける芥川賞作家・目取真俊は、小説の中では沖縄の地域共同体に内在する権力・差別・暴力を鋭く描きだしてきた。その作品群と向き合いながら「本土」と沖縄の関係を問い直そうとする批評集。
内容説明
本土の欺瞞を撃ち、沖縄の内なる暴力を告発する、目取真俊の文学に応答する批評集。
目次
1(“知る”ことと“語る”ことの倫理―目取真俊の文学を考えるために;「風音」―死と性をめぐる記憶の葛藤;「水滴」―地域社会における支配と言葉;「魂込め」―地域における集権主義と“嘘物言い”;「眼の奥の森」―集団に内在する暴力と“赦し”;「群蝶の木」―暴力の共犯者と家父長的権威;「虹の鳥」―“依存”と“隷属”の社会)
2(霜多正次「虜囚の哭」―強制された共同体;霜多正次「沖縄島」―戦後沖縄社会の群像;大城立裕「棒兵隊」と大城貞俊「K共同墓地死亡者名簿」―沖縄戦を書き継ぐこと;又吉栄喜「ギンネム屋敷」―沖縄戦をめぐる民族とジェンダー;真藤順丈「宝島」―「生成流転する沖縄の叙事詩」)
著者等紹介
尾西康充[オニシヤスミツ]
1967年兵庫県神戸市生まれ。三重大学人文学部教授(日本近代文学)。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(学術)号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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