目次
第1章 チャップリンと『ローマの休日』(チャップリンの追放―一九五二年夏;『ローマの休日』ただいま撮影中―一九五二年夏 ほか)
第2章 絶対平和を求めて(最後の傑作『ライムライト』;ヒトラーとチャップリン ほか)
第3章 裏切りと密告の時代―「赤狩り」(非米活動委員会;ハリウッドの反撃 ほか)
第4章 ワイラー、絶望の三部作から希望の「ローマ」へ(真のドラマティスト;アメリカ民主主義の高揚とワイラーの挫折 ほか)
第5章 ヘプバーン、そしてトランボの栄光(二一世紀の学生が観る『ローマの休日』;数奇な生い立ち ほか)
著者等紹介
吉村英夫[ヨシムラヒデオ]
1940年三重県生まれ、早稲田大学教育学部卒業、三重県にて高校教員。三重大学非常勤講師、愛知淑徳大学教授を歴任。著述業、映画評論家、日本文学協会会員、映画人九条の会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山口透析鉄
25
市の図書館本で。高校教師をされていた頃の、男はつらいよシリーズについて書かれた本、単行本で読んでいます(増補版が文庫になっているようですね)。 吉村氏の、チャップリンやワイラー監督への思い入れは非常によく分かる本で、元々は講演用の原稿を本にまとめたようですね。トランボ氏については森田信吾氏のまんが「栄光なき天才たち」で私は初めて知りました。当時はまだ、ローマの休日のシナリオを手掛けていたとは知られていませんでしたね。 本当はマッカーシーを利用した連中もいたのでしょうが、そこまでは書けなかったような。2023/02/02
saladin
4
先頃読了した『レッドパージ・ハリウッド』は2段組400ページのまさに力作だったが、本著は講演録や大学での講義内容、自身の映画評などをまとめたような体裁で、さらりと読めるが、さほど知識は深まらない。また、著者自身が述べるように”主観的叙述が多い”のも少々気になる。とはいえ、著者のウィリアム・ワイラーに対する熱い思いは伝わってくる。『ローマの休日』をまた観たくなったな。2020/07/20
hitotak
3
かつてハリウッドを震撼させた「赤狩り」について書かれた本。現在でもアカデミー賞等でしばしば話題になるが、そもそも赤狩りって何?どうして行われたのか?という初歩的な部分から知りたくなり、読んでみた。しかし歴史的な部分の詳しい説明はそれほどなく、時系列で書かれている訳でもないので読みづらい箇所もあり、結局知識はあまり深まらなかった。しかし赤狩りが「ローマの休日」に大きく関わっているのは初めて知った。製作者たちは密告と裏切りの強要に苦しんだが、物語では新聞記者もカメラマンもアン王女を守り、友情と秘密は保たれた。2018/11/30
yasu7777
0
★★★☆☆ 大好きな「ローマの休日」の背景を知ることができてとても興味深かった。2017/12/25
某戦国大名の子孫(嘘)
0
漫画の「赤狩り」が切っ掛けで本書を手に取った。 純粋に映画を語った部分については映画に対する熱い想いが感じられて好感を持ったが、逆に、国際情勢や政治的な部分が絡んだ部分になると途端に違和感を感じた。最も著者の経歴を見てその理由に気づいたが。「道理で」と苦笑させられた。ローゼンバーグ事件とか、旧ソ連が実際にスパイをアメリカに潜入させていた点も併記しないと公正とは言えないと思う。