内容説明
1910年代半ばから20年代にかけて、大正時代の自由な気風が、さまざまな分野に実験的な試みの花を咲かせた。美術が演劇や音楽との境界をこえてドラマティックな空間を現出させ、生産工場の鼓動と、列車の驀進音に呼応する。美術は急速にその姿を変貌させていった。直視しなければならない現代美術の出発点、本巻の照準をここに合わせた。
目次
前衛芸術の実験
神原泰〈マリアとキリスト〉
東郷青児〈パラソルさせる女〉
普門暁〈鹿、青春、光り、交叉〉
柳瀬正夢〈五月の朝と朝飯前の私〉
村山知義〈コンストルクチオン〉
坂田一男〈キュビスム的人物像〉
中原実〈乾坤〉
古賀春江〈夏山〉