内容説明
アジア太平洋戦争末期、中国の重慶にあった米戦時情報局(OWI)は、中国共産党・八路軍の対日心理作戦の成功に注目し、延安側から米軍ビラに対する批評を受けるなど、延安の経験に学ぼうとした。そしてその内容を71通におよぶ「延安報告」と題するレポートにまとめて本国に送った。この『延安報告』をもとに、「日本人民解放連盟」が前線で日本軍兵士に向けてまいた反戦・厭戦ビラ、米軍が日系二世兵士を動員して作ったビラを紹介しつつ、八路軍の対日本人捕虜政策、米軍と八路軍の対日心理作戦と両軍の協力関係の実態に新しい光をあてる。
目次
第1章 フィッシャーの延安報告
第2章 八路軍の捕虜政策
第3章 日本労農学校
第4章 ビラ政策をめぐって
第5章 北ビルマ戦線の米軍ビラと延安の批評
第6章 エマーソンの構想と提案
著者等紹介
山極晃[ヤマギワアキラ]
1929年生まれ。1961年、東京大学大学院社会科学研究科(国際関係論)博士課程単位取得、退学。1961年から、財団法人日本国際問題研究所研究員、横浜市立大学文理学部助教授、教授、二松学舎大学国際政治経済学部教授を経て、2003年3月、退職
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