内容説明
東京裁判―それは今日の日本を決定したともいえる戦後史上、重要な分岐点であった。東京裁判研究に多大なる業績を残した著者が、広い国際的視野から東京裁判の諸相を論じ、現代史におけるその意義を問い直す。
目次
1 東京裁判への道程(東京裁判開廷史;東京裁判の被告はこうして選ばれた;管轄権動議と日本の無条件降伏)
2 東京裁判の諸相(東京裁判の影;訴追と免責;日本政府が忘れたこと―「日本国との平和条約第11条」考;東京裁判と天皇;東京裁判とソ連;張作霖爆殺の真相と鳩山一郎の嘘;戦前日本における化学兵器の研究・開発について;戦争犯罪裁判と現代史研究;伊藤隆著『日和期の政治』をめぐって;東南アジア民衆史を歩く―鶴見良行論)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花陽(かよう)読書会
0
東京裁判の「戦犯」には、岸伸介(日本の元首相、安倍晋三の祖父)や、児玉誉士夫が、その名を連ねているが、何の裏取引がGHQ(当時の連合国側)とあったのか、その罪に問われることなく、2人とも終戦後に、その財と権力を欲しいままにした。中国で数々の人体実験を行った「731部隊」も、その詳細な医学的な実験資料を、連合国側へ提出したことで、まるで「取引」とでも云わんばかりに、その難を逃れている。極東裁判、いわゆる「東京裁判」が、決して公平な裁きの場ではなく、戦勝国によるご都合主義の談合であることを垣間見れる1冊。2023/06/13