内容説明
ますます結びつきを深める現代世界の食文化を、地理的な見方や考え方を生かしながら、さまざまな角度から考えてみようとしたのが本書。世界各地の食べものと食文化について、地域性、歴史と伝播、交流という側面から具体的にとりあげた。さらに、現代世界の「食料」をめぐるさまざまな問題をやや理論的に検討する。
目次
1 所変われば「たべる」も変わる
2 食べものには文化と歴史の味がする
3 食べものは人びとや地域をつなぐ
4 食の不平等を生みだす世界
5 日本人の食生活を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao
2
1999年9月10日発行(2000年8月4日、第3刷)。①たべる、②すむ、③むすぶ、④つくる、⑤いきる、⑥うちとそと、6冊シリーズの1冊。20年も前の「地理」の本は既に「歴史」の本? それでもアグリビジネスや南北問題、日本の食料自給率など変わらぬテーマもある。著者は高校教員の松村智明、宮田省一と法政大学教授の山本茂の3人。本書の最後で「コメを基本とした食生活」を説きながら、「食糧管理制度が必要とされる時代は過ぎ去った」「(食管制度に)積極的な存在根拠があるのかどうか疑問」という山本の主張には同意できない。2021/04/24