内容説明
1954年にノーベル化学賞を受賞する一方、24年にわたるFBIの監視やさまざまな圧力・攻撃を受けながらも活発な反核・反戦の活動をつづけ、1963年ノーベル平和賞を受賞。歴史上唯一ノーベル賞を二度単独受賞、化学・物理学・生物学・医学と分野の壁を軽々と跳びこえ、科学の巨人とされたポーリングの業績と生涯。
目次
第1章 こども教授
第2章 革命の目撃
第3章 結合
第4章 戦時の科学者
第5章 三重らせん
第6章 平和の代償
第7章 ビタミンC
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学名誉教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所名誉上級天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
ヘイガー,トム[ヘイガー,トム][Hager,Tom]
サイエンスライター。オレゴン大学特別プロジェクト・ディレクター
梨本治男[ナシモトハルオ]
1971年生まれ。東京理科大学理学部卒業。現在、おもに特許分野の翻訳にたずさわる技術翻訳者、神奈川大学理学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいまゎ
2
「人間以外のほとんどの動物は体内でビタミンCを合成している。このことから人間はビタミンCを大量に摂取しなければならないと考えた。」ノーベル化学賞と平和賞のダブル受賞者!2012/08/15
ダージリン
0
ポーリングがノーベル平和賞まで受賞していたとは恥ずかしながら知らなかった。あの時代に平和への意志を貫くのは容易ではなかっただろう。 学問上の業績に対しては勿論、その挫けぬ信念に敬服する。2011/10/31
tamalin7
0
ポーリングの「一般化学」を読んだことがあります。 今日では常識になっている炭素の(混成軌道による)4面体結合は、彼が量子力学の原則と方程式から導いたのですね。結合の角度、長さ、強度が計算値の範囲内に収まっているとのこと。化学の中に量子力学を取り込んだ人物として科学史上に位置づけられる。 ノーベル平和賞として認められた人生後半の核実験停止を訴えた時期は、圧力をかけられ核技術者から嫌われ(研究できなくなるから?)辛い日々だったんですね。 晩年はビタミンCの伝道師。2020/03/01