内容説明
発酵は微小な生物の働きによって起こることを証明して生物学革命の引き金をひき、この発見を医学にまで広げて考えて細菌とウイルスの世界の扉を開いたパスツール。20世紀半ばまで「人類にとって最も偉大な恩人のひとり」として英雄視されていたその業績と生涯を現代の視点を織りこんで描いた評伝。
目次
第1章 パリへの長い道のり
第2章 輝ける日々
第3章 限りなく小さい生き物を追って
第4章 微粒子病の師
第5章 「ヒツジが申し分なく死んでくれた日」
第6章 「人間にとりかかるときには、手が震えるだろう」
第7章 科学の聖人のための殿堂
第8章 パスツールが世を去ってから
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学名誉教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所名誉上級天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
ロビンズ,ルイーズ・E.[ロビンズ,ルイーズE.][Robbins,Louise E.]
ライター兼編集者。ウィスコンシン大学マディソン校で科学史の博士号を取得
西田美緒子[ニシダミオコ]
翻訳家。津田塾大学英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダージリン
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人格的な面や研究の進め方で否定的な面も書かれているが、偉大な功績を残した一流な人物であることは揺るぐまい。圧倒的な成果を出して歴史を塗り替えた人物からは、やはり学ぶべきところがあった。パスツールが活躍した時代である19世紀後半からの科学技術の進展は目を瞠るものがある。この先も科学の進歩はこのペースを保っていけるのかは気になるところだ。それにしても、細菌医学の進歩が植民地活動と密接にリンクしていたという点は考えさせられるものがあった。2014/12/05
こひた
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読後までパスツールの自己喧伝性について考えたことはなかった。ワクチン全面投与への反対意見って現代でもあるし、必要性や地域性を考える必要はあるか。とはいえ人類文明で操作可能と思われる領域を、微生物まで広げた功績はやはり重い。2014/07/01
ソーシャ
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最新の研究に基づいて書かれたパスツールの伝記。明暗の両面にわたって、彼の実像を描いています。この本を読んで、私の中のパスツール像はかなり美化されていたことを知りました。(偉人であることには違いないけど)彼の生きた時代背景についても分かるのでおすすめです。2012/04/28
Dal
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素晴らしき微生物の狩人パスツールの伝記。 単純に面白い。2012/03/03
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