出版社内容情報
「絶対温度差」とも言うべき日本社会の冷たさが福島県民を追い詰めている。いまなすべきことは何か。藤井貞和の〈抗う言葉〉。
「絶対温度差」とも言うべき日本社会の冷たさが福島県民を追い詰めている。声、言葉は何のためにある? 福島のため、子どもたちのために何ができる? 本性がむき出しになった日本社会の炉心から起ち上がる、藤井貞和の〈抗う言葉〉。
まえがきに代えてあらためて提言――声を、言葉を
第一章 だれが難民を生み続けるのか――「絶対温度差」
第二章 文明と人間の現存在とへの問い――浄土の〈廃原発〉
第三章 詩人は何もできないか?――抗う言葉
第四章 除染、測定、放射能についての学び――金属の損傷か?
第五章 炉心溶融へ至る過程を隠しているあなたへ――〈水素よ、〉
第六章 さしせまる星夜のタブーに――子どもたちが知りたいこと
第七章 終わりは来るか――昨日を越えて
復活――キャンディーズ
さらに記しておきたいこと――補注として(桑原茂夫)
【著者紹介】
一九四二年(昭和十七)~。現代詩の書き手。〈国文学〉専攻。大月書店からは『言葉と戦争』(詩論、二〇〇七・一一)がある。二〇一一年以後に、『うた――ゆくりなく夏姿するきみは去り』(短歌型詩群、書肆山田、二〇一一・八)、『東歌篇――異なる声』(独吟千句、反抗社出版、カマル社発行、二〇一一・九)、『春楡の木』(詩集、思潮社、二〇一一・一〇)、『人類の詩』(詩論、思潮社、二〇一二・一〇)、『文法的詩学』(研究書、笠間書院、二〇一二・一一)がある。『春楡の木』によって鮎川信夫賞・芸術選奨文部科学大臣賞を受けた。 竹村正人監督によるDVD作品『反歌急行東歌篇』(二〇一二)がある。 小学校まで奈良市内にあり(生まれは東京都内)、その後、東京、鎌倉などをへて、東京には一番長く居住する。古典文学や民俗学的な関心から、東北地方に親しむものの、いわゆる土地勘はない。大震災に際会して、福島県内および被災地と、県外や被災地外との、あまりな温度差、日本全体から福島県や被災地を見る眼や心の在り方について、私にもテーマにできるはずだ、と考えた。
内容説明
復活を、再生を、次代へ向けて、約束を。壊滅する時間のなかから起ちあがる、「抗う言葉」。
目次
第1章 だれが難民を生み続けるのか―「絶対温度差」
第2章 文明と人間の現存在とへの問い―浄土の「廃原発」
第3章 詩人は何もできないか?―抗う言葉
第4章 除染・測定、放射能についての学び―忘れない原点
第5章 炉心溶融へ至る過程を隠しているあなたへ―「水素よ、」
第6章 さしせまる星夜のタブーに―子どもたちが知りたいこと
第7章 終わりは来るか―昨日を越えて
著者等紹介
藤井貞和[フジイサダカズ]
1942年(昭和17)~。現代詩の書き手。「国文学」専攻。『春楡の木』によって鮎川信夫賞・芸術選奨文部科学大臣賞を受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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