内容説明
教育の「当たり前」を社会学の目で問い直す。
目次
第1部 「大学生になる」ことを社会の観点から考える(学力の獲得は平等なのか?;高等教育への進学とジェンダー;高学歴社会における教育機会と費用負担)
第2部 「学校に通う」ことは当たり前か?(学校に「行っていない」子どもたち;貧困世帯の子どもたち;学校の外で学ぶ子どもたち)
第3部 教育のなかの「正しさ」を疑う(「英語は全員が学ぶもの」という自明性を疑う;部活動は学校において合理的な活動か?;子どもの安全・安心を脅かす「教育」)
第4部 若者をとりまく「空気」を読み解く(教育から職業への移行と就職活動;「いじめ」問題がつくる視角と死角;少年犯罪についての認識とメディア)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
純子
21
「大学生の学びをつくる」シリーズの一冊。入門書的な内容なのだろうが、「当たり前」と思っていることは本当に当たり前なのか?という問題提起がテーマごとになされ、興味深く読んだ。歴史やデータ、様々な研究内容をもとに考察されていて、学問的だなと思う。部活動のあり方が話題になっているが、そもそも学校で行わなければならない教育活動として始まったわけではないということ、本人の努力ではどうにもならない格差が学力間にも見られることなど、あらためて考えさせられる内容が多かった。2017/12/19
りょうみや
8
教育社会学の入門書。身近で「当たり前」と思われている事例を半径5mという表現していて改めて問い直すことが主題。学歴と教育機会、学校以外での学び、例えば英語や部活動など学校での学びや行事の自明性、いじめや犯罪のこころの問題など。初めてこの分野に触れるにはちょうどよいわかりやすさだと思える。2017/11/06
Jinjin
1
勉強できないのは努力が足りなかったからだ。それ以外の答えに向き合う時が来ている。社会的な要因、成育環境など。人は自分の半径5メートルで物事を捉える傾向が強く、上述の問いに対してそれらの範囲で考える。狭い範囲を脱し、実はこうだったと教育課題に対し、範囲外からメスを入れる本。非常に読みやすい。2019/06/01
アリョーシャ
0
結論部分が尻切れトンボ気味の章がある。ものごとの捉え方を問う形であったり、Workで調べてみるよう促したり、大学生の学びに入っていくための書籍と感じた。2023/04/23
しろ
0
「教育社会学」という学問の入門書とも言える1冊。分かりやすい内容で、幅広いテーマをカバーしているので読みやすい。社会の出来事を捉える際に、いかに自分の立場からでしか考えることができないかということを思い知らされる。2020/04/28