内容説明
いまなお光を放つ社会保障運動の原点、憲法を暮らしに生かす原点を築いた朝日訴訟。その当事者が死を前に綴った現代への熱いメッセージ。
目次
生いたち
闘病日々
潮の時代
生の炎
国を訴える
訴訟闘争日々
勝利の判決
控訴される
燎原の火のごとく
総力をあげて
蟻の橋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
那由田 忠
14
朝日さん生誕90周年の企画で、絶版となっていたこの本を復刊させたもの。なのでいろいろ付録があって関係者の語りが面白い。社会科の教科書には必ず朝日訴訟の説明があって、当時の日用品費月600円の内訳が載っていることも多い。パンツは年に一つなのに散髪は月一回、ちり紙1束、新聞1紙だ。結核で療養所の重症患者だったという肝心な話は知られていない。結局裁判は負けてしまうのだけれど、彼のささやかな願いは聞き入れられた中で、裁判闘争が続くんだよね。(そのことはこの本に書かれていない。)いろいろな事情を知って読むと面白い。2017/04/26
ゆう。
1
人間裁判と言われた朝日訴訟をたたかった朝日茂さんの手記です。生存権をはじめとした憲法の諸権利が、朝日さんのような重度の結核患者たちの命がけのたたかいの上にあること学びました。また、朝日さんの人となりが伝わってきて、運動は要求と共に人間としてもつながらないといけないなぁと感じました。2013/10/28