出版社内容情報
2016年、米国体操連盟の医師が30年近くも女子選手200人余りに性虐待を働いた事件が暴露される。少女たちを護るべき保護者やコーチ、関係機関は何をしていたのか。綿密な取材で犯罪手口や体操界の構造的問題にせまる。
日本のみなさんへ
まえがき
序文 進もう、手をつないで
第1章 夢
第2章 街
第3章 始まり
第4章 コーチ
第5章 すべてに別れを告げて
第6章 信じてもらえなかった女の子たち
第7章 叫び
第8章 誘惑
第9章 子どもたちの考え方は
第10章 クラブ
第11章 ペテン師
第12章 最後の行動
第13章 崩落
第14章 理事会
第15章 ポーカーゲーム
第16章 公正な裁き
第17章 記憶
第18章 解放
第19章 真相と向き合って
第20章 家族
第21章 ティーン・ウォリアーズ
第22章 法廷
第23章 アーミー・オブ・サバイバーズ
あとがき
スポーツ界における性暴力被害救済のために
訳者あとがき
内容説明
本書に登場する女性たちの憤りの一つは、ナサールによる性虐待を告発した若い女性や少女たちを、権威ある立場の人々が何度も何度も退け、信用しなかったことだ。1990年代からコーチやカウンセラー、警察などに訴えてきたにもかかわらず、ナサールの行動は2016年まで続いた。もし誰かが耳を傾けていたら、何十年にもわたる性虐待は止められたかもしれない。何百人もの若い女性や少女が助かったかもしれない。本書の重要な示唆は、「まずは、少女の声に耳を傾ける」ということだ。
目次
夢
街
始まり
コーチ
すべてに別れを告げて
信じてもらえなかった女の子たち
叫び
誘惑
子どもたちの考え方は
クラブ〔ほか〕
著者等紹介
ペスタ,アビゲイル[ペスタ,アビゲイル] [Pesta,Abigail]
ジャーナリスト・作家。ロンドンから香港まで世界各地でキャリアを積み、受賞歴多数。共著『How Dare the Sun Rise:Memoirs of a War Child』は、ニューヨーク公共図書館、シカゴ公共図書館など多くから2017年の優良図書に選ばれ、ニューヨーク・タイムズ紙が「胸を切り裂きながらなお詩的な回想録」と評している。ウォール・ストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズ各紙、マリ・クレール、ニューズウィーク各誌、およびNBCニュースなど、主要メディアに調査報道、特集報道を掲載。ニューヨーク州ブルックリン在住
牟礼晶子[ムレアキコ]
独立行政法人内部翻訳・編集者、専門委員を経て現在フリーランス。東京外国語大学卒
山田ゆかり[ヤマダユカリ]
スポーツライター。総合型地域スポーツクラブ「一般社団法人飛騨シューレ」代表理事、津田塾大学非常勤講師。スポーツ界のセクシュアルハラスメントの実態を講演や記事で社会に伝える一方、被害者サポートや啓蒙啓発のためのワークショップを開催
井口博[イグチヒロシ]
東京ゆまにて法律事務所代表弁護士(第二東京弁護士会)。一橋大学法学部卒。同大学院を経て、78年から89年まで裁判官・検事。92年ジョージタウン大学大学院修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。