出版社内容情報
戦争の傷跡と、強固な父系継承主義、そして米軍統治のもとに生きた戦後沖縄の女性たち。「日本」とは異なる生殖の戦後史を描く。
米軍統治下、優生保護法が適用されないなかで、高い出生率の一方、ヤミ中絶が蔓延した沖縄。戦争と強固な父系継承主義の影響のもと、女たちはどのようなライフ・ステージを歩んだのか。「日本」とは異なる生殖の戦後史を描く。
序章――本書の背景と目的
第?T部 沖縄の出生力転換を理解する理論と方法
第1章 沖縄の出生力転換を捉える理論的枠組み――ジェンダーの視点から出生力を歴史化する
第2章 沖縄の出生力転換をジェンダーの視点から調査する――出生力の歴史化と女性の生殖経験の中心化
第?U部 米軍統治と沖縄の生殖をめぐるポリティクス
第3章 戦後沖縄の出生力転換と女性をとりまく社会構造
第4章 人口と中絶のポリティクス――1950年代沖縄の「人口問題」と優生保護法をめぐる攻防
第5章 冷戦と沖縄の家族計画――1960年代沖縄の生殖をめぐるポリティクス
第6章 ヤミ中絶から避妊へ――家族計画普及活動と出生抑制手段の転換
第?V部 女たちの人生と生殖をめぐる家父長制的交渉
第7章 教育と就労のライフコース――その多様性/蛇行性と女性の意志
第8章 結婚の経験と動機――晩婚化と恋愛結婚の主流化
第9章 子どもを産むこと/もう産まないということ――生殖をめぐる女性の交渉と経験
第10章 ジェンダー化された育児の場――女性の「連帯」と男性の「主体的無関心」
終章
付録1: 調査対象女性の属性とプロフィール
付録2: インタビュー・ガイド(調査対象女性用)
【著者紹介】
沖縄国際大学准教授(総合文化学部社会文化学科)主要著作:『国際移動と〈連鎖するジェンダー〉――再生産領域のグローバル化』(共著,作品社,2008)『ジェンダーと交差する健康/身体――健康とジェンダー?V』(共著,明石書店,2005)
内容説明
“子産み・子育ての「楽園」、沖縄”という幻想を打ち破る。戦争の傷跡と、強固な父系継承主義、そして米軍統治のもとに生きた沖縄の女性たち。「日本」とは異なる生殖の戦後史を描きだす。
目次
第1部 沖縄の出生力転換を理解する理論と方法(沖縄の出生力転換を捉える理論的枠組み―ジェンダーの視点から出生力を歴史化する;沖縄の出生力転換をジェンダーの視点から調査する―出生力の歴史化と女性の生殖経験の中心化)
第2部 米軍統治と沖縄の生殖をめぐるポリティクス(戦後沖縄の出生力転換と女性をとりまく社会構造;人口と中絶ポリティクス―一九五〇年代沖縄の「人口問題」と優生保護法をめぐる攻防;冷戦と沖縄の家族計画―一九六〇年代沖縄の生殖をめぐるポリティクス;ヤミ中絶から避妊へ―家族計画普及活動と出生抑制手段の転換)
第3部 女たちの人生と生殖をめぐる家父長制的交渉(教育と就労のライフコース―その多様性/蛇行性と女性の意志;結婚の経験と動機―晩婚化と恋愛結婚の主流化;子どもを産むこと/もう産まないということ―生殖をめぐる女性の交渉と経験;ジェンダー化された育児の場―女性の「連帯」と男性の「主体的無関心」)
著者等紹介
澤田佳世[サワダカヨ]
1974年東京都生まれ、大阪府育ち。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。東京女子大学大学院現代文化研究科修士課程修了、学術修士号取得。オーストラリア国立大学大学院人口学・社会科学研究科修士課程修了、人口研究修士号取得。津田塾大学大学院国際関係学研究科後期博士課程単位取得退学、国際関係学博士号取得。日本学術振興会特別研究員PD(お茶の水女子大学ジェンダー研究センター)をへて、現在、沖縄国際大学総合文化学部准教授。専門は、人口社会学・家族社会学、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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