出版社内容情報
あらゆる差別はマジョリティには「見えない」。日常の中にありふれた
排除の芽に気づき、真の多様性と平等を考える思索エッセイ。
目次
プロローグ あなたには差別が見えますか?
1 善良な差別主義者の誕生(立ち位置が変われば風景も変わる;私たちが立つ場所はひとつではない ほか)
2 差別はどうやって不可視化されるのか(冗談を笑って済ませるべきではない理由;差別に公正はあるのか? ほか)
3 私たちは差別にどう向きあうか(平等は変化への不安の先にある;みんなのための平等 ほか)
エピローグ わたしたち
著者等紹介
キムジヘ[キムジヘ]
金知慧。韓国・江陵原州大学校多文化学科教授(マイノリティ、人権、差別論)。移民、セクシュアル・マイノリティ、子ども・若者、ホームレスなどさまざまな差別問題に関心を持ち、当事者へのリサーチや政策提言に携わっている。ソウル特別市立児童相談治療センター、韓国憲法裁判所などの公的機関にも勤務経験を持つ
尹怡景[ユンイキョン]
韓国・ソウル生まれ。慶應義塾大学大学院で人類学を学ぶ。言葉で韓国と日本の心をつなぎたい翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiace9000
128
大統領弾劾に揺れる韓国を舞台に、米国や日本での実態も踏まえ言及した「社会的スティグマ」関連本。例の報道や現地中継を見るにつけ「なんで韓国の人ってあそこまで過激なん?」というステレオタイプ的バイアスで観てしまっている時点で、わたし自身にも確かにある差別的感情―。本書では見えざる固定観念に警鐘を鳴らし、その発見を促している。誰の中にも同時に存在し、それぞれが異なるものを有するマジョリティ性とマイノリティ性。どうすれば自分の有していないマイノリティ性を尊重し、連帯できるか。読後も自問自答を繰り返している。2024/12/16
アキ
106
何気なく言ったひと言が他人を傷つけることがある。あるシンポジウムで決定障害という言葉を発した著者が参加者に指摘され気づいた。障害者という言葉も障害のある人と言い換えることが望ましい。誰しも人は属性があり、自分の属さない集団を無意識に色付けしている。立ち位置が変われば、見える景色も異なる。本書の原題は「善良な差別主義者」。韓国社会では「公正」「平等」「民主主義」が問われ、2007年から差別禁止法の制定をめぐり議論が続いている。日常の中に潜む差別を自覚することから始めよう。平等とは差異を認めることにあるのだ。2021/10/13
おたま
94
最近労働組合の活動に関わっているが、よく感じるのが「差別」。男女差別、障害者差別、外国人差別等の問題に直面することが多い。この本は韓国での差別の実態をもとにして書かれているが、その基本的な考え方は日本の場合にも適用することができる普遍性をもっている。広範な場合を扱っており、これまで気づかなかった事にも気づかせてくれる。基本的に差別というものは、マジョリティにとって暮らしやすくできている「普通の」「正常な」社会から逸脱するマイノリティに向けられた排除の構造から生まれる。2023/06/08
とよぽん
93
マジョリティの不寛容がマイノリティの異議申し立てを妨げ、市民的不服従に至るのだという(8章)ところにハッとした。また、私たちが何気なく遣っている言葉の中に差別要素がひそんでいることも・・・。韓国の実態が書かれているが、これらは日本でも当てはまることがほとんどで、日本はむしろデモや抗議活動という具体的な行動に出る人が少ない。同調圧力のため? 一向に差別と分断は解決の方向に向かわないではないか! 悪意のない人が自らの差別に目覚めることが必要だと思った。日本訳がとても読みやすくできている。2022/10/11
ネギっ子gen
81
【差別は常に、差別によって不利益を被る側の話であり、差別でメリットを得る側が、自ら立ち上がって差別を語るのは稀少】どのように差別が不可視化され「正当な差別」として偽装されるのかを考察し、差別にどう向き合うかを検討する書。巻末に、参考文献と「韓国における差別禁止の法制化とそのダイナミズム」と題された解説。原書は2019年に、翻訳は21年刊。<差別は明らかに両者の非対称性によって生じるものであり、すべての人にとって不当なことであるにもかかわらず、不思議なことに、差別を受ける側だけの問題のように扱われる>と。⇒2026/03/19
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