1995年―未了の問題圏

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  • サイズ B6判/ページ数 283,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784272330560
  • NDC分類 304
  • Cコード C0036

出版社内容情報

大震災とオーム事件、就職氷河期と「新時代の日本的経営」戦後50年と「ゴーマニズム宣言」・・私たちはまだ<1995年>の問題圏の内にある。サブカルチャーから政治・経済までを各方面で活躍する5人のが編者と迫る。

内容説明

“失われた”ものは何か。若者たちの生の困難を洞察する社会哲学者と、声を上げはじめた新世代。対論を通じて迫る“1995年”のリアル。

目次

序論 1995年から始まる(中西新太郎)
対論1 生きづらさと1995年(雨宮処凛;中西新太郎)
対論2 戦後・宗教・ナショナリズム(中島岳志;中西新太郎)
対論3 「構造改革」と貧困(湯浅誠;中西新太郎)
対論4 家族・不登校・女性労働(栗田隆子;中西新太郎)
対論5 サブカルチャーと批評(杉田俊介;中西新太郎)
対論を終えて(中西新太郎)

著者等紹介

中西新太郎[ナカニシシンタロウ]
1948年生まれ、横浜市立大学教授。社会哲学、現代日本社会論。2004年~07年、季刊『前夜』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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harass

71
「日本ノンフィクション史」から手に取る。社会学者中西新太郎による対談本。編者の中西によると、この年から戦後日本がある種の転換点を迎えたという。当時20歳代だった五人による当時の話と各人それぞれのテーマに沿った日本社会の変化についての社会評論。オウム事件、阪神淡路大震災、宮台真司、小林よしのり、鶴見済、ナウシカ、エヴァンゲリオンなどなど。名前だけは知る雨宮など。いろいろ戸惑うところもあったが個人的に苦手な部分が把握できたから良しとしたい。同時代を生きた自分に共感できるところが多かったのは確か。良書。2017/10/19

ゆうき

3
1995年、阪神・淡路大震災、オウム真理教の地下鉄へのサリン攻撃テロ、酒鬼薔薇事件、エヴァンゲリオンが時代のパラダイムシフトを象徴するような事件、災害が起こった。戦後50年、バブルが崩壊し、グローバルイズムしていったこの国の平和な戦場は地下の水脈のように広がり表面化される言葉を当時は持てなかった。そんな1995年をその当時20代だった論客が語る。そして17年が経過した現在2012年、地下に流れていた1995年から生まれた水脈は東北大地震で表面に吹き出し見ないふりをしていた問題がさらされることとなった。2012/09/12

白義

3
本当だ、定価が税込1995円。という話しは置いて、95年というのは確かに戦後史のターニングポイントだったと感じる。バブル崩壊のダメージも本格化し、阪神淡路大震災とオウムによる社会の自明性の崩壊。先行きが見えない当時の時代の色は、本書の装填のような不透明なブルーだっただろう。最も、当時の私の記憶はあまりないが… 当時20代だった論客たちが、経済や思想に想像力、生きづらさについて改めて語っていく。杉田俊介のところが一番面白かった。漫画版ナウシカの偉大さを再確認。今また、新しい想像力を始められるだろうか2011/03/25

v&b

2
雨宮処凛・湯浅誠・杉田俊介の三人が印象に残った。特に湯浅は信頼できると思ったな。「人間の価値の変容」(うろ覚え)というキーワードが突き刺さった。杉田の章で引用されている『ナウシカ』(漫画版)と、『愛人』は読もうと思った。総じて、編者の中西も手堅く、好著と言えるのではないか。2009/04/02

たろーたん

1
1995年とは暗い年だ。雨宮処凛は、1995年は「大震災」「オウム」「戦後50年」の三点セットで「盆と正月とハルマゲドン」と言っていた。しかも、そこに隠れて、日本経済団体連合会「新時代の『日本的経営』」という棄民的な提言も入っている。なんとも凄い年である。物質主義と拝金主義を否定したオウムの話が印象に残った。バブルが弾けた焼け野原で「終わりなき日常を生きろ」「女子高生を見習え」と言われても無理だし、現実を否定してくれるオウムに惹かれたってのは分からなくはないと思ったと言っていた。(続)2024/12/07

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