内容説明
衝撃の初演を迎えた劇『ガイ・ドンヴィル』、本邦初訳。上演時の写真掲載。ジェイムズの劇作の全容を辿った「解説」には、『ガイ・ドンヴィル』初演当時の劇場の写真、および訳者撮影の劇場の現況写真も掲載。
著者等紹介
水野尚之[ミズノナオユキ]
京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。梅花女子大学講師、京都大学教養部助教授を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
107
表紙と、ヘンリージェイムズだというのにひかれて。後書きによると、舞台ではブーイングがあったようだ。確かに、聖職者を志したものの心の有様の移ろいが私にも不可解だった。ロマンスとしても、それを楽しむまでにもいかず。女狐と古狸の悪巧みを入れ込むためにプロットが少々理解し難いものになっているかも。2018/09/29
timeturner
6
先に解説を読んだら、ロンドン初演の際に観客からの大ブーイングがあったことについて書かれていて、とても興味深かった。が、問題の本編を読み始め、これが日本で上演されて大ブーイングされるとしたら翻訳のせいだと思った。2018/10/07
のうみそしる
1
セリフがまわりくどいのは翻訳者のせいか。起承転結はもちろんハラハラする場面もあっておもしろいのだが、どことなく教科書っぽい印象。間違ったことをして気づいて本来の道にもどる、という。解説にもある通り、もうちょっと主人公の逡巡や葛藤を掘り下げないと軽薄な性格だけが際立つ。「はっけんのたび!」ともあれ当時の演劇事情を知れてよかった。2023/08/08