著者等紹介
鮎澤乗光[アユザワノリミツ]
東京都立大学人文学部英文科卒業、同大学院博士課程中退。横浜国立大学を経て、立教大学、東京女子大学教授を歴任、立正大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
34
「人生は喜劇的であるよりはむしろ悲劇的なものなのだと。時には陽気に振る舞っても、その陽気さの瞬間は短い幕間の喜劇なのであり、実際のドラマの一部では決してないのだ」ふとしたことからしでかしてしまうヘンチャードの妻売り。時を経た妻子との再会からはじまる彼の没落の描写に、当時の英国の産業革命の時代背景が重なる。本作の主人公は町長という地位にそのものかもしれない。「俺は苦しむべきだ、それは分かる。こんなに苦しめるとは、俺のためなのか?」近代的な資本主義者に金、地位、娘と次々はぎ取られる宿命との対峙は感慨深い。2019/11/20
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