内容説明
世界一の心理学者たらんと野望を胸にウイーンで学び、チューリッヒの診療所で精神分析医としてキャリアの第一歩を踏み出した若きアメリカ人ディック・ダイヴァー。患者であるアメリカの大富豪の娘、美貌のニコール・ウォレンに心惹かれた瞬間から彼の人生設計に狂いが生じ始める。科学者にしてロマンチシスト。心優しき主人公が辿る哀しき転落の物語。
著者等紹介
岡本紀元[オカモトキゲン]
1938年2月神戸市生まれ。1966年3月京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2008年2月現在、甲南女子大学文学部英語英米文学科教授(4月以降名誉教授)。日本スコット・フィッツジェラルド協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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寺田和代
1
📚時系列に進むカウリー編集版で無く、オリジナル版。 著者フィッツジェラルドはこの作品の書籍の売り上げが、かんばしくなかった原因が第一部と第二部の時系列を入れ替えた事と考えて文芸評論家カウリーに修正を依頼。 著者自身が修正しなかったのはもうアルコール依存症がひどい状況だったらしい。この作品の主人公のようだ。 作品のラスト、夫妻は離婚しても悲劇性はそれほど感じ無かった。フィッツジェラルドは作品主人公夫妻のモデルは自分自身達では無いと否定していますが、私は彼の自伝的私小説だと思います。2019/10/12