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- > ランダムハウス講談社文庫
内容説明
1954年アメリカ。ある日突然サーカス団から一人の魔術師の姿が消えた。ヘンリー・ウォーカー―黒人の魔術師だった。謎の失踪について、そしてヘンリーの人生について、様々な語り手たち―団長、奇体の団員、私立探偵―がそれぞれに別の物語を語りはじめる。702号室で出会った魔術師のこと、彼と交わした「血の誓い」、殺人、黒人ではないこと…次第に見えてくる黒い魔術師の本当の姿とは?映画『ビッグ・フィッシュ』原作者の変幻自在な物語。
著者等紹介
ウォレス,ダニエル[ウォレス,ダニエル][Wallace,Daniel]
アメリカ、アラバマ州生まれ。ロサンゼルス・タイムズ紙でイラストレーターとして活躍するかたわら、数々の文芸誌やアンソロジーで小説を発表。現在はノース・カロライナ大学で教鞭を取っている
川副智子[カワゾエトモコ]
東京都出身。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツバメマン★こち亀読破中
23
1954年アメリカ。サーカス団から突然姿を消した魔術師のヘンリー・ウォーカー。彼の歩んできた数奇な人生は現実か?それともマジックなのか?そして最後にタネが明かされる、かと思いきや…。うーん、人生は哀しみとそれを覆い隠すユーモアで構成されているのだな…ハッ!?著者の魔術にまんまと騙されるところだった!2016/11/17
つくし
1
もう一回読もう…一人の人間の人生が複数の人が語る視点から進んでいく、なんだか不思議な話でした。一章毎にはわかっているつもりで読んでいたのに、全体の進行としては色々と読み落としていた気分。繰り返し読むことで魅力が深まっていきそう。2016/12/17
花野
0
まさに極上のイリュージョン…!まるで魔術師自在に支配しあやつる52枚のカードに魅せられている気分。4人の語り手たちがつぐむ現実と幻想が曖昧に表現される「黒い魔術師」ヘンリー・ウォーカーの奇妙なストーリーに身を任せる快感。癖になってしまいそう。暗いシーンにも必ずどこかに人の愛や優しさがひっそりと滲んでいるところがなんとも言えない。そして次第に現実味を帯びていき、ラストの明かされるミスター・セバスチャンの真実とヘンリー・ウォーカーの夢想にごく普通の日常がこんなにも美しく温かいものなのだと気づかされた。2013/01/27
パトリック
0
これは良く書けた本。読者数が少ないのが残念。作者はティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」の原作者。1954年のアメリカ、ある日突然サーカス団から消えた黒人の魔術師のヘンリー・ウォーカーの失踪について、そしてヘンリーの人生について、様々な語り手たち――団長、奇形の団員、私立探偵――がそれぞれに別の物語を語りはじめる。作者の語りの魔術に引き込まれる。 2019/10/06