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古城ホテル

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  • サイズ 文庫判/ページ数 442p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784270104286
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ニューヨークの刑務所の囚人レイは、無為の世界から抜け出すために一篇の小説を書き続けていた。舞台は崩壊寸前の古城。城をホテルに改築するため、主人公はその地を訪れる。しかし外界から隔絶した城は不気味な牢獄そのもの。秘密の地下道、塔に住む老男爵夫人、双子が溺れ死んだと伝えられるプール…次々と奇怪な事件が起き、怯えた主人公は脱出を試みるが―。一方、レイの小説が完成に近づくにつれ、刑務所内部にも驚くべき変化が現われ始め…。

著者等紹介

イーガン,ジェニファー[イーガン,ジェニファー][Egan,Jennifer]
1962年、シカゴ生まれ。ペンシルヴェニア大学卒業後、ケンブリッジ大学のセントジョンズカレッジで学ぶ。その後ニューヨークに移り住み、26歳のときに初めての短篇を『ニューヨーカー』誌に発表。1995年の処女長篇『インヴィジブル・サーカス』(アーティストハウス刊)がベストセラーとなり、2001年にキャメロン・ディアス主演で映画化された(邦題『姉のいた夏、いない夏』)。第2作Look at Meが全米図書賞最終候補、第3作目にあたる『古城ホテル』も全米でベストセラーを記録し、『ニューヨーク・タイムズ』紙の「記憶に残る100冊の本2006年」のリストに選ばれた

子安亜弥[コヤスアヤ]
南山大学外国語学部英米学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

31
あらすじから『シャイニング』みたいなホラーが書かれており、その内容が書き手の存在する現実に侵食してくるような内容を想像していたのだが、実際は登場人物の成長を物語るロードノベルであった。古城の雰囲気はいいものの描写のほとんどが登場人物(含む現実)の心理描写に当てられており、その点に関してはちょっと冗長。ただ先入観なしに読めば大人になり損ねた男のトラウマを癒す旅であり、ラストも癒しで終わるいい小説だと思う。しかしこないだ読んだのといい、最近読む小説は現実と入れ子になったものが多いな。2013/01/22

伊藤螺子

2
幻想怪奇小説かと思ったら心理サスペンスだったでござる。昔裏切ったいとこに招待されて古城に出向いた情報ジャンキーの男の話と、それを書いている刑務所の囚人の話が並行して進む。前者が冗長なのは設定上仕方ないのか?砦の男爵夫人のくだりなど魅力的な所はあるんだが、いかんせん心理描写がくどくて、オイシイ舞台設定の味が染み出しきらずもったいない。終盤のどんでん返しも色々反則じゃないかという気もする。でも、畳み方はいい。全てが元に戻らなくとも、物語を書く者、導く者、それぞれの贖罪と解放が、一抹の切なさとともに響く。2013/04/19

のりたま

2
面白かった。小説の中の小説の主人公ダニーが良かった。すごく個性的で。必死なのに滑稽で。2012/12/27

Ayuko

2
どうなるか分からない展開、特異なシチュエーションなど、面白かった。 けど、面白かったゆえにあと一歩、ラストに物足りなさが残る。2012/12/25

akios

2
言葉を集め、記憶を集めて紡がれる物語と、その物語を書く囚人をとりまく現実。妄想と他人との境目とが溶け合っていく2部の後半あたりは皮膚がビリビリする。面白い。脱走っていうのが、ちょっと、納得いかないような。2012/11/14

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