- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 海外文学
- > ランダムハウス講談社文庫
内容説明
「チャーリーは生きている」ヴードゥーの占い師ははっきりそう言った。暴動のさなかに誘拐された3歳の少年―誰もがその死を確信していたが、マックスは占い師の言葉を無視できなかった。カーヴァー一族に激しい敵意を抱き、誘拐の容疑者と目される、スラム街の実力者ポールを追う一方、マックスは独自の捜査を進めた。やがて彼の前に、幼い子供たちを次々とさらうハイチ版ハーメルンの笛吹き男「ミスター・クラリネット」の存在が浮かびあがってきた…。英国推理作家協会賞受賞、マカヴィティー最優秀新人賞受賞。
著者等紹介
ストーン,ニック[ストーン,ニック][Stone,Nick]
1966年、ケンブリッジに生まれる。父親はスコットランド人の歴史学者、母親はハイチの名家の出。幼い頃はハイチで暮らし、1971年に英国に戻る。十代の頃はボクサーを目指していたが、ケンブリッジ大学入学後は歴史学に専念する。デビュー作の『ミスター・クラリネット』で2006年度英国推理作家協会イアン・フレミング・スティールダガー賞、2007年度マカヴィティー最優秀新人賞受賞
熊谷千寿[クマガイチトシ]
1968年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
10
【図書館本】【速読】:大なり小なり面白かった。★2個2022/01/18
HANA
9
ブードゥー、ハイチ版ハーメルンの笛吹き男という題材から土俗的オカルトな内容を想像していたのだが、実際の内容はもっと即物的かつ救いのないものであった。救いようのない事件が暗い国情と相まってより一層陰惨なものにされている。読み終われば全てが真犯人の手の内だということがわかるのだが、暴かれた事件が事件だけに犯行の結果と大団円にむしろ救われる思いである。2011/12/24
聖月
2
◎もう少しハイチという国の実情がわかるかと思っていたが、意外と想像の範囲内だったのが残念。ハードボイルドミステリーとしては、そこそこの出来。ただなあ、上巻でシャンタールという魅惑的な女性とのやり取りが気になり下巻に入ったのだが、下巻ではほとんど不在。素敵な女性と同棲することになったが、相手は24時間不在・・・そんな感じ(笑)あと、表紙カバーの登場人物がシャンテールになっているのがミステリーのことども。年末のこのミス15位候補というところでしょうか。2012/03/11
varietasdelect
2
ハイチの独裁の歴史が織り込まれていたけれど、さらに時代を遡ってフランスへの債務返済も触れられていたらな。でも、ハイチに真っ正面から迫る娯楽ミステリが日本でも楽しめるって、凄いと思う。2012/02/04
Wataru Satou
2
やられた。というのが読み進めながら一番思ったこと。もし上巻を読み終わって「イマイチだったな・・・下巻どうしようかな・・・」と迷っている人が居たら、取り敢えず借りてでも読んでおく事をお薦めします。多分、上巻だけ読んでこの展開を想像できるひとは居ないと思うので。 内容については少しでも書くとネタバレになってしまいそうなので敢えて書きませんが、他の国の犯罪小説でも似たような社会問題が取り上げられることが多いので、こういう話は貧しい国ではあちこちで起きているんだろうなぁと胸が痛くなります。2012/01/19