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- > ランダムハウス講談社文庫
内容説明
1761年パリ。ルイ15世の娘アデライード王女の側近であるリュイセック伯爵の館で、変死体が発見された。醜くしぼんだ老人のような遺体は、なんと伯爵の若き子息のものだった。現場は密室で、伯爵も息子は自殺したのだと主張するが、警視ニコラは殺人だと直感する。伯爵は何を隠そうとしているのか?持ち前の妄想力と正義感で捜査を始めたニコラは、事件の裏に、ある秘密組織の存在を嗅ぎつけ…。人気シリーズ第2弾。
著者等紹介
パロ,ジャン=フランソワ[パロ,ジャンフランソワ][Parot,Jean‐Francois]
1946年生まれ。18世紀フランス史修士課程を修了後、外交官となり、キンシャサを皮切りにサイゴン、アテネ、ソフィア等で総領事を務め、外務省人事部、軍事防衛協力部部長を経て、現在は西アフリカの在ギニアビサウ共和国大使を勤める。『ニコラ警視の事件』シリーズは、2001年に発表された第1作の『ブラン・マントー通りの謎』のあと、年に1冊弱のペースで次々と続篇が刊行されており、どれも10万部を越す人気シリーズとなっている
吉田恒雄[ヨシダツネオ]
千葉県生まれ。1970年に23歳で渡仏後、パリにて会社勤め。2004年から翻訳業に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぞるば
2
歴史小説としても興味深いし、殺人事件に大きな陰謀も絡んできて読み応え十分。街の不潔さから始まって、王宮のぐちゃぐちゃした権力争い、人間関係、階級差別など、たくさん不愉快なものが描かれる中、ぐいぐい謎に迫るニコラが気持ち良い。決して完璧ではないけれど、人に好かれる好青年で、あらら…笑というところもありつつ、概ね安心して読み進められます。カトリーヌの作る料理がまた美味しそうで…。まぁ、この時代にはこの時代の残酷観というのか暴力観があると思うので、この剥き出し感が合わない方にはしんどいかもです。2016/10/11
寧々子
2
華やかさと醜悪さの入り混じった当時のパリの様子が、今回も鮮やかに描かれています! 着飾った絹のドレスの足元は泥だらけの床とか、オペラ座の華やかさと客席に潜むノミダニとか。。。 パン屋さんにある肖像画でお馴染みのポンパドゥール公爵夫人が、重要人物として出番多めで登場します。 ミステリーとしては謎解きの場面となる主尋問で、初めて明かされる捜査報告が多々あるのでちょっとズルイと思いますが、許せます♪2010/07/07
もん
2
18世紀のパリを背景にしてミステリーが展開される。奇怪な事件とより大きな権力や思惑に翻弄される。雰囲気がとても楽しい。主人公の人柄やラッキーで解決していくところはおおいにあるが、読みやすくてワクワクする。2010/03/18
珂音
2
殺され方が酷すぎる。仕事一筋で生真面目な主人公の意外と緩い下半身。ニコラの人物像がなかなか掴めない。2010/03/07
himehikage
2
悪臭に満ちたパリ。当時の風俗描写が上手い。2009/09/21