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- > ランダムハウス講談社文庫
内容説明
1955年、フロリダ州タンパ。チャーリー・ウォールが死んだ。酒の密売で財をなしボスとして街に君臨した男だった。だが、引退したギャングをなぜ惨殺する必要があったのか?現場に残された散弾と粒餌の意味は?ドッジ刑事を先頭に市警は執拗な捜査を展開、一方新聞記者ターナーも独自の調査で真相に迫っていったが…!キューバ革命前夜を背景に、現実の迷宮入り事件に大胆な解釈を加えて描きあげた時代ノワールの会心作。
著者等紹介
アトキンス,エース[アトキンス,エース][Atkins,Ace]
1970年、アラバマ州生まれ。著名なフットボール・プレイヤーを父に持ち、自身もカレッジ・フットボールで活躍。ダンパ・トリビューン紙の記者として、ピューリッツァー賞にもノミネートされる。1998年に『クロスロード・ブルース』(角川文庫)でデビュー
熊谷千寿[クマガイチトシ]
1968年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
livres
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借り物。1950年代の未解決の殺人事件を元にして書いているらしい。フロリダといえば、ディズニーランドか、マイアミとか太陽をイメージするが、この小説の舞台タンパは、大西洋ではなくメキシコ湾に面している夜の街だ。タンパやシチリアのマフィアのほかに、カストロやチェ ゲバラもチョイ役で登場したりする。ホワイトシャドゥと呼ばれた大物マフィアを知らない私には、事件のすごさがわからない。チャーリー・ウォールの生前のエピソードが書かれていたら、もう少し入り込めたのかも。現在のタンパはどんな街になったんだろう?2011/01/30
co_taro
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かつて禁酒法時代のアメリカで暗黒街フロリダ州タンバの顔役だったチャーリー・ウォールが殺された。一線からは退いた彼が、惨殺されたのは何故?市警はチャーリーに因縁ある刑事ドッジが指揮を執り、チャーリーが既知の新聞記者ターナーも事件を追う。ラストに近づくにつれ、夢か幻か、熱病から来るよな幻想とも取れるこの展開は、後は読者の解釈に委ねようとする作者の思惑なのかもしれないけれど、(少なからず)意欲的に歴史の闇に切り込もうとした展開だったのであれば、大いなる肩透かしを読まされただけ、という気がしたりしなかったり?2008/12/09