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内容説明
結婚前夜。新郎マイケルを祝うために悪友たちが仕掛けた悪戯―それは酔った新郎を棺桶にいれて生き埋めにし、数時間後に掘りだすという、他愛もない計画だった。だが、埋めた直後に仕掛け人全員が事故死。ほんの悪ふざけのはずが、最悪の事態にまで発展し…。目撃者ゼロ。当事者全員死亡。絶対的不利な状況下で、孤独な中年警視グレイスがマイケルの救出に乗り出す!仏・独でミステリ賞に輝いた瞠目のシリーズ第1弾。
著者等紹介
ジェイムズ,ピーター[ジェイムズ,ピーター][James,Peter]
1949年、イギリスのサセックス州ブライトンに生まれる。脚本家、映画プロデューサーの顔も持ち、その著書の多くは世界各国語に翻訳されベストセラーになっている。『1/2の埋葬』はイギリスで発表されるや、2ヵ月もの間ベストセラーリスト入りし、フランス、ドイツでもトップ10入りを果たした。また、フランスではPrix Coeur NoirとLe Prix Polar InternationalをW受賞。2005年には、米PW誌が選ぶ「アメリカで新たに有名になった推理作家5人」にも選出された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざるこ
51
結婚を控えたマイケルに悪友たちが悪戯を仕掛ける。酒に酔わせ棺桶に入れて生き埋めにし数時間後に掘り出すはずが…。悪戯に悪意がありすぎ。本人に非もあるけど笑えない。閉じ込められたマイケルの描写はさほど多くなく絶体絶命の危機感もあまり上手く書かれてない気がするけど、読むとその状況を想像して肩の辺りが窮屈に感じて体が硬直してドキドキするから充分かと。唯一の連絡網も…歯痒い!知っているのに隠蔽する悪い奴2人。狙いは金?男より女の方が根性悪い。嗅覚鋭い警視グレイス。早くみつけて!なんでこんな怖い本積んだの私。下巻へ…2020/09/08
えみ
23
ちょっとした悪戯が恐ろしき事態を引き起こす…パニックミステリ。結婚前夜でマイケルを祝う為、彼を棺桶に入れて土に埋めるという悪戯をする友人達。数時間後に掘り出す予定が友人達はそのまま事故死してしまうという序章からとんでもない展開。仏・独でミステリ賞に輝いただけの事はある。棺桶の中で死が迫っていく恐怖と、仕組んだ悪ふざけは本当に悪ふざけだったのか?というミステリが相まって目が離せない。上巻は唯一マイケルと話せる手段を獲得しているデイヴィとマイケルを捜す警官グレイスが届きそうで届かないもどかしさに焦らされる。2019/04/08
アプネア
14
海外ドラマなどで頻繁に見かける独身最後の夜のバカ騒ぎ、本書では<スタグ・ナイト>。新郎を祝うために悪友4人が仕掛けた悪戯とは、酔った彼を棺桶にブチ込み生き埋めにするという出川さんも真っ青なドッキリだった。数時間後に掘り出すつもりだったが、直後,仕掛人全員が事故死!これは正に投げっぱなしジャーマン…哀愁を帯びた中年警視を中心に何人かの人間模様が並走する。やはりこのプロットだけでは心許なく、初めはスローというか平坦な感じがしたが、後半の転調により倒叙風味も醸し出してきた。さあどうなるの?下巻へ。2018/08/24
タミイ
6
美しい婚約者との結婚前夜(スタグナイト)、男友達とのどんちゃん騒ぎの悪戯で棺桶に入れられ生き埋めにされたまま、その友達が全員交通事故死、唯一持っているトランシーバーを拾った相手はなかなか話の通じない知的障害の青年。身動きできない棺桶の中で酸素も明かりも食料もなく沁み入った泥水を口にし浸かりながら何日も過ごすなんてかなり悪夢的な状況である。初読の作者だがなかなか面白く読める。妻の失踪による心の傷を抱えたグレイス警視が事件に乗り出して事態に急展開が見えてきたところで下巻へ。映画やテレビドラマにもなりそうだな。2015/09/11
あつぼう
4
結婚前夜(スタグナイト)は映画などで何度が目にした事があるけど、棺桶に入れられて埋められるって悪戯の範囲をこえてますよね。さらに仕掛け人が交通事故で全員死亡してしまうって洒落にならないです。生き埋めにされたマイケルの恐怖がリアルに伝わってくるし、彼に残された時間の短さが先を読みたくさせページをめくる指が止まらなかったです。捜査する警視グレイスも心に傷を持っていて残されたフィアンセの気持ちを誰よりも理解出来る立場なんで応援したくなります。彼の絶対的な記憶力がマイケルを見つけるきっかけになればいいのに。2009/11/29