ランダムハウス講談社文庫
真夜中に捨てられる靴

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  • サイズ 文庫判/ページ数 447p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784270100967
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

深夜、決まって教会前に捨てられるひと揃いの靴。真新しい紳士靴やハイヒール―毎夜、靴を回収するうちに、やがて靴と犯人探しの虜になってしまった警官を描く表題作『真夜中に捨てられる靴』ほか、謎の箱を死守する南米の将校、若さを渇望する老脚本家、瀕死の父を冷凍保存する息子など、「妄執」をテーマに、狂気に堕ちていく主人公たちを描いた全8篇。エルロイ、キング、クーンツが絶賛する、マレルの奇妙な短篇集。

著者等紹介

マレル,デイヴィッド[マレル,デイヴィッド][Morrell,David]
1943年カナダのオンタリオ州生まれ。1967年アメリカへ移住。ペンシルヴァニア州立大学でアメリカ文学を専攻し、博士号を取得。1972年、処女作『一人だけの軍隊』が世界的ベストセラーになり、エンターテインメント界の第一人者となる

山本光伸[ヤマモトミツノブ]
国際基督教大学歴史学科卒。インターカレツジ札幌および柏艪舎(株)代表取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うまる

22
狂気に満ちて行く主人公たちを描く中短編8編。忠誠、復讐、蒐集などによる固執、妄執、執着…。どの話も段々おかしくなっていく様がリアルで楽しめました。どれもショートフィルムにしたら面白そうな感じで、読後なんとなくキューブリックを思い出しました。好みだったのは"ゴーストライター"。表題の"真夜中に捨てられる靴"だけでも、絶版本を入手したかいがあったかなと思います。”ランボー"の原作者だというのには驚きました。2019/06/14

Tetchy

19
マレルといえば数々のアクション、スパイ物が有名で、その派手派手しい演出はあざといまでに映像化を狙ったような作品が多いが、短編では趣を変えた奇妙な味と云える不思議な味わいを持った作品ばかり。収録作は歴史物、ホラーにSFとヴァラエティに富んでいるが、共通するのは自失と狂気の物語だろうか。ここに書かれた作品に登場する不屈の精神を持つ主人公たちはその執着心の強さゆえにどこか壊れた印象を受ける。私はマレルがこれほどヴァラエティに富んだアイデアを持ち、濃密な話を書けるとは思えなかった。個人的ベストは「復活の日」。2013/01/14

詩歌

16
皮肉な笑みが浮かんでしまう短編集。脚本家の話は、私のような小心者が時間をあけて読んだので、その間に積み重なった破滅の予感に何度も本を閉じてしまった。この本で最も波瀾万丈だったあとがきには、現実逃避のためのホラーについて書かれている。ホラーから逃れるためのホラー。私はこの恐怖心と付き合っていくのに、どうすればいいのだろうか。2015/07/14

mejiro

13
「ゴーストライター」「目覚める前に死んだら」「真夜中に捨てられる靴」が特におもしろかった。タイトルとマレルの名に引かれて読んだ。「何も心配しなくていいから」、変というか怖いというか…。おバカな結末と父親の執念がアンバランスで、ちょっと狂気を感じた。お手軽なホラー小説のようでいて、けっこう記憶に残るのは、その<妄執>のせいだと思う。なかでも、愛する人の死という、著者の悲痛な体験に根差した恐怖と喪失感は、作品の底に重く横たわり、否応なく心が波立つ。著者あとがきが興味深い。2018/10/21

fukafkacraft

5
大満足! さすが「ランボー」の原作者、うまい。どれも実話のような語り口。映画として成立するアイデアと映像か浮かぶ。低俗な「廃墟ホテル」と同じ作者とは思えない。冷凍保存をめぐる父子のセンチメンタルSF「復活の日」はほろっとくる。「目覚める前に」はコロナ時代を予言した感染パニックの秀作。2000年に発売された「999聖金曜日」というアンソロジーに表題作が収録されていたようだが、とても面白いのになぜか読んだ記憶がない。他の作品も翻訳して欲しい。2021/01/03

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