ユダヤ人の起源―歴史はどのように創作されたのか

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  • サイズ A5判/ページ数 466,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784270005736
  • NDC分類 316.88
  • Cコード C0020

内容説明

聖書時代から現代まで、世界の常識を根底から覆す歴史的大作。

目次

はじめに―記憶の堆積と向きあって
第1章 ネイションをつくりあげる―主権と平等
第2章 「神話=史」―はじめに、神がその民を創った
第3章 追放の発明―熱心な布教と改宗
第4章 沈黙の地―失われた(ユダヤ)の時を求めて
第5章 区別―イスラエルにおけるアイデンティティ政策

著者等紹介

サンド,シュロモー[サンド,シュロモー][Sand,Shlomo]
1948年にオーストリアのリンツで生まれた。両親のイスラエル移住にともない、イスラエルで長じ、教育を受けた。テルアビブ大学ではじめた歴史の高等教育をパリの社会科学高等研究所で終えた。1983年に同研究所でジョルジュ・ソレルの思想に関する博士論文を仕上げ、これはただちに出版された(『政治過程の幻想』、パリ、La decouverte、1984)。1984年以降、テルアビブ大学で現代ヨーロッパ史を教える。専門領域は近代社会における知識人の思想および地位、歴史と映画の関係、さらにナシオンの結晶化過程におけるナシオン観念の存在に及ぶ。これらのテーマにつき、フランス語・英語・ヘブライ語で多数の著書と論文を発表した

高橋武智[タカハシタケトモ]
1957年東京大学文学部仏文科卒。同大学院で18世紀フランスの啓蒙文学・思想を専攻。1965~67年、フランス政府給費留学生として、パリ大学(ソルボンヌ)に留学。大学闘争さなかの1970年に、立教大学助教授を依願退職

佐々木康之[ササキヤスユキ]
1935年生まれ。元立命館大学文学部教授、フランス語担当

木村高子[キムラタカコ]
仏語・英語翻訳家。フランス国ストラスブール大学歴史学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科考古学専攻修士課程修了。現在、スロベニア在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とし

10
難解で読むのに骨が折れたけど、内容はスリリングで面白かった。「民族」の起源に「神話」が必要だってのは、記紀神話から繋がる天皇を元首に戴く日本人にはよくわかる。旧約聖書で描かれる、祖国を追放され、さまよえる民族となった「ユダヤ民族」(厳密にはそんな民族はない)の「神話」を、割と最近のユダヤ系知識人たちが「ユダヤ民族」のアイデンティティーの核にすべく歴史を「創作」し、イスラエル建国の大義とし、それを頑なに守っている現状と、パレスチナ問題の根源が、おぼろげながら理解できた。2016/10/03

yooou

8
☆☆☆☆★ 僕も出エジプトは史実だとばかり思っていたよ。でもユダヤ人側の歴史認識がどうなっているのか、詳しくわからないのでかなり難しかった。2010/05/29

犬養三千代

7
イスラエル在住の学者によるイスラエル建国に係る捏造された歴史を分析した本。 「孤高を保つ選ばれた民」の裏付けが欲しかったのだということはよくわかる。もう少し、イギリスの目論見などを描いて欲しかった。 パレスチナとの共存を最終で理想かなと述べておられるが、今のままで良いはずはない。2018/01/08

nchiba

7
ニッポンという海によってモヤモヤと他の国と隔てられた国で生まれ、なんとなくニッポン人というアイデンティティを持つ僕にはわからないことが多かった。国とは違う「ネイション」。ここにイスラエルを理解するカギがあるということは少しわかった。建国にあたって「ユダヤ人」を決めなければならず、それが未だに曖昧な状態にあることを理解するにはユダヤ教を理解しなければならない。この本に書いてあることの大半は聖書をかじったことがないとわからないということはわかった。2010/10/22

perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺

5
原著は2008年、邦訳は2010年。著者はテルアビブで歴史学を教えている「イスラエル人」。タイトルを直訳すると「ユダヤ人の創作/発明/捏造」だ。 本書を読んだきっかけは、ウクライナ戦争に関して情報を集めていると「ユダヤ人ハザール起源説」なるものを知った事だった。正確には「東欧系ユダヤ人のアシュケナージはユダヤ教に改宗した遊牧民族で、古代イスラエルの民とは無関係」というものだった。wikipediaでは批判や異論もあるようだったがトンデモ説と言うほどでもないようで本書を読んでみた。→続く2022/12/15

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