内容説明
どうして「日本人はサッカーが下手」と言われるのか?どうすれば、それを克服できるのか?その考え方からトレーニング法まで、著者が、スペインでの12年間の指導生活で培った経験とノウハウを一挙に公開する。
目次
プロローグ―“探し物”は何ですか?
1 スペインのサッカーは何が違うのか?
2 育成に関する違い
3 FCバルセロナと日本の違い
4 戦術的ピリオダイゼーション理論とは
5 戦術的ピリオダイゼーション理論の実践方法
6 日本がワールドカップで優勝するために
エピローグ―“バタフライ効果”
著者等紹介
村松尚登[ムラマツナオト]
1973年生まれ、千葉県出身。千葉県立八千代高校、筑波大学体育専門学群卒業。同大サッカー部OB。1996年、日本サッカーが強くなるためのヒントを求めてスペインに渡る。その後、バルセロナを拠点に8クラブのユース年代以下の指導に携わり、2004年10月にはスペインサッカー協会が発行する上級コーチングライセンスを取得した。2005年、スペインサッカー協会主催の「テクニカルディレクター養成コース」を受講。2006年からFCバルセロナのジュニアスクールで12歳以下の子どもたちを指導している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yukicks
6
サッカーはサッカーをすることで上手くなる。サッカーはカオスであり、フラクタルである。 戦術的ピリオダイゼーション理論の考え方はあらゆるものに使えると思った。2012/06/10
ばりー
6
キーワード→「サッカーはカオス(混沌)でありフラクタル(自己相似)である」。サッカーの試合は様々な要素(戦術、技術、体力、精神力、攻撃、守備、テクニック、パワー、スピード、フィジカルなど)によって構成されているが、それらを複雑なまま全体として理解しなければならない。しかし、日本のサッカーの練習は各構成要素を部分部分に切り取ったものばかりである。これでは試合に役立つ練習にはならない。よく言われる「このチームのサッカーは攻撃的(守備的)」なんて表現はまさにサッカーの一部分しか見ていない表現の例。2011/06/05
manya
5
いい加減、日本も世界を見習ってトーナメントの大会を無くせば良いのに…。特に育成年代では勝ちに拘るあまり、サッカーの質を置き去りにしてる感じがする。高校サッカーを見てると、「なんてつまらないサッカーをしてるのだろう」と感じる。
mura_ユル活動
5
戦略的ピリオダイゼーションの考え方は一理ある。個別の要素を練習していても試合に使えない場合がある。次週からサッカースクールの練習にも考慮し指導していこう。子供たちのために。2012/06/17
せな
4
戦術的ピリオダイゼーション理論の「哲学」を学ぶのにちょうどいい本。トレーニング方法論や練習メニューを期待すると失敗する。サッカーはさまざまな要素が絡み合って出来ているものなので、テクニック・メンタル・フィジカル・戦術などの各要素を切り出して練習するのではなく、すべての要素が絡み合った状態で全体(の負荷)を小さくした練習が必要である。普段から感じていたことであるが、改めて読み直してみると説得力がある。生あるものを分解していくといつの間にか命は消える→生命論パラダイムという言いまわしが気に入った。2011/02/10