内容説明
発掘調査による考古学を土台に、放射性炭素年代測定やDNA分析など科学的手法を取り入れて発展してきた先史学は、今なお人類の本質に迫る様々な問題に取り組み続けている。人類の思考プロセスの変遷を探る認知考古学という新たなアプローチにより、私たちが現在の姿に至るまでの数百万年に及ぶ長い道のりをたどり、人間の存在を見つめ直す。
目次
第1部 先史時代の発見(先史時代という概念;一九四〇年以前の先史学;放射性炭素革命;世界先史学の可能性)
第2部 心の先史学(ホモ・サピエンス・パラドックス;心の先史学へ向けて;共同体の構築;財貨;宇宙を取り込む;先史時代から歴史時代へ)
著者等紹介
レンフルー,コリン[レンフルー,コリン][Renfrew,Colin]
1937年英国ストックトン・オン・ティーズ生まれ。1981年から2004年までケンブリッジ大サ更考古学教授を務め、現在は同大のマクドナルド考古学研究所フェロー。英国学士院会員。ギリシアなどを中心に数々の発掘作業を指揮するとともに、考古学書の執筆・編集にも携わり、その多くは考古学分野の古典となっている
溝口孝司[ミゾグチコウジ]
1963年生まれ。九州大学大学院比較社会文化研究院准教授、Ph.D.(ケンブリッジ大学)。専門分野は社会考古学
小林朋則[コバヤシトモノリ]
1967年生まれ。筑波大学人文学類卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/06/13
おらひらお
2
2008年初版。広い視野で先史時代の社会や文化についてまとめたものです。ただ、挿図が全くないのが難点かな。2013/07/28
さーもんマヨ
1
先史時代研究の歴史と、心(感情、知性認知を指す)の発達についての研究をまとめた一冊。先史社会の革命的変化は、心の変化によって引き起こされたものもあると筆者は考えている。ホモサピエンスに関して言えば知の遺産仮説の影響もあると思う。産業革命前の人類と、後の人類では豊かさに大きな違いがあるが、その前後で人類自体が先天的に賢くなったようには感じないからだ。先祖から受け継いだ知識の量とそれに伴う社会構造や教育量が一定量に達すると画期的発明が起こり、社会が革命的変化をするのではないだろうか。2014/02/07
メルセ・ひすい
0
★5 発掘調査による考古学を土台に、科学的手法を取り入れて発展してきた先史学という知的冒険。認知考古学という新たなアプローチにより、私たちが現在の姿に至るまでの長い道のりを辿り、人間の存在を見つめ直す。 1937年英国生まれ。81~2004年ケンブリッジ大学の考古学教授を務め、現在は同大のマクドナルド考古学研究所フェロー。英国学士院会員。邦訳書に「文明の誕生」「ことばの考古学」「考古学-理論・方法・実践」がある。2008/12/18