内容説明
機械化された文明の中で、あえて動物学的見地から「人間」を問う。人間、環境、科学を語った待望の書き下ろし。
目次
第1章 人間はどういう動物か(人間と動物;直立二足歩行;毛のないけもの;おっぱいの形;オスの戦略・メスの戦略;人間は一夫一妻;少子化の論理;遺伝子とミームの相克;飽食の理由;概念の形成と死の発見;言語とはなにか;学習のシステム;人間はどのような育ちかたをする動物か;人間はなぜ争うのか;美学の問題)
第2章 論理と共生(町の動物たち;都市緑化における触覚;計画と偶然の間;論理と共生)
第3章 そもそも科学とはなにか(動物行動学が提出した問題;ファーブルなんて「愚の骨頂」だった;ローレンツは時代の「すこし先」をいっていた;科学でなにを得られるか?;世の中に真理はない;幽霊は想像力の欠如の産物;レフェリーがつくとアイデアがつぶされる;科学と神は必ずしも対立しない;「賢く利己的」であること;利己的な「死」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カネコ
2
○2013/03/17
ユ-スケ
1
理系でありながら、文系の人にも興味深く読めるのが日高さんの優れたところではないだろうか こうした生物社会全体を語れる人が少なくなっているのかもしれない2015/07/28
トゥクトゥク
1
動物行動学の話から始まって、人間が生きるのはどういうことかという大きな主題へ話が流れていく気持ちのいい展開はご健在で、この手の話なら何時間でも聞いていられそうな、私の脳にとっておいしい書物になっている。今回は図書館で借りたけれど、装丁が素敵なのでいつか選集全巻をわが家の本棚に並べてみたいものです。2014/01/11
13km
1
人間と動物が7:3ぐらいの割合で書いてあってすごく丁度良い。著者のタイトルに込められた疑問への情熱がひしひしと伝わってくる。人間は感情を制しているのか?それとももっとも感情に振り回される動物なのか?どっちにしろそれが自然の決めた事だ。2012/01/31
星規夫
0
自然科学系のエッセイ本を読んだのは初めてかもしれない。とても面白かったので、他の巻も読んでみたい。2012/01/20