内容説明
脳血管障害、頸髄損傷、統合失調症、薬物依存症、末期癌…。過酷な現実を切実に生きる人々。『病院の時代』で日本の生老病死を凝視した写真家が現在のリハビリの真実に迫る。
著者等紹介
大西成明[オオニシナルアキ]
1952年奈良県生まれ。早稲田大学第一文学部社会学科卒業。学生時代より実験映画を作り始める。1978年より、工作舎でオブジェマガジン『遊』の編集スタッフとなり、同時に写真を始める。83年よりフリー。92年、動物の細部を独特の視点でとらえた写真集『象の耳』(ニッコールクラブ)により、日本写真協会新人賞を受賞。また、94年には、カール・セーガンの著書『はるかな記憶』(朝日新聞社)の中で、生命の起源を巡るイメージ写真を提供、各章の扉を飾った。97年には、『地球生物会議』のポスターで、ニューヨークADC金賞を受賞。この頃より、週刊誌のグラビアなどで医療関係ドキュメントを撮り始める。99年から2000年にかけて、写真週刊誌「フライデー」で、『病院の時代―バラッド・オブ・ホスピタル』を連載。「人」と「病」と「医療空間」が織りなす「生命の物語」を、日本全国の病院を訪ね撮影した。そのシリーズにより、99年週刊現代ドキュメント写真大賞、2000年講談社出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中玉ケビン砂糖
48
【年初めは気分を刷新して】「人間の身体の中には海がある(…)ドックンドックンという音に混じって体液やら臓器の凄まじい雄叫びに、生きているってなんて騒々しいことなんだろうって、感嘆の声をあげてしまう。(…)身体中から鳴り響くオーケストラの演奏が、寸分の狂いもなく音を刻み付けるなどということが、あるのだろうか」臨床と研究、義肢を作る工房、パラスポーツ、認知症、失語ケア、薬物依存更生施設、そして全国の医療施設。生、老、病。欠けたなら、人は補うか埋め合わせながら挑み続けなければならない。「再生への巡礼」だ。2022/01/01
gachin
2
著者は肉感を撮影するのか上手いので、本書はそれを期待して手に取ったが、撮影されていたのは人間性だった。一流の人間は確と”次”に進む。/ 世の中には素晴らしい取り組みをしてる人が多い。奇形の人が小学校に赴いて奇形部位に触れてもらう。人は自身の言動行動を正当化せずにはいられないので、差別の負のスパイラルに陥る前にその芽を摘める。/ 精神障害者は治療の過程で自分の心まで覗きこまれるから、それが大きな苦痛になる。恥ずかしながら考えたことなかった。2022/01/16
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