内容説明
中国最北端からチベットまで3万キロ、99歳の母をリヤカーに乗せた自転車が走るこの世で最後の母と息子の旅―。中国全土が涙した感動のノンフィクション。
目次
第1部 長い旅路(母さん、この世の見物に行きますか?;旅立ちを前に、母に捧げる手紙;旅に出るんだから、きれいな格好をしなきゃ;休み休み、行こう、この世に急ぐことはひとつもね ほか)
第2部 再び旅路に(さあ、食べねで何しとる、いっぺ食べな!;母さん、また旅に出ましょうか?;行かなきゃ、何があっても行かなきゃ…;この世のすべての息子たちとともに ほか)
著者等紹介
王一民[ワンイーミン]
1932年中国瀋陽で生まれる。父親が国民党員だったため家族がばらばらになり、強制労働を余儀なくされるなど平坦ではない青年期を過ごす。農業と大工の仕事で貧しく平凡な生活を送っていたが、妻の死後、ひとり暮らしの母親の面倒を見るようになる。母親をリヤカーに乗せ自転車で3年近い旅を続けるあいだに、話題の人物として中国全域に知られ、「今世紀最後の親孝行者」と呼ばれるようになる
蓮池薫[ハスイケカオル]
1957年新潟県生まれ。中央大学法学部3年在学中に拉致され、24年間北朝鮮での生活を余儀なくされる。現在は新潟産業大学で朝鮮語の非常勤講師・嘱託職員として勤務するかたわら、中央大学に復学して法学を学んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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坂津
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「西蔵(チベット)へ行きたい」そう言う99歳の母に親孝行をするため、手作りのリアカーに乗り中国最北端の塔河を出発した74歳の息子。二人の旅路は時に辛く、時に苦しくとも、幸せな気持ちが失われることはなかった……。ページをめくる度に涙が溢れてきた。母を思いやる王一民さんの気持ちが心に届いた。本書の良いところは旅の苦労も述べられている点だろう。加齢で失禁しやすくなった母と関係が気まずくなったり、時には利己心が垣間見えるマスコミやホテルとのやり取りが生じたり。200字ちょっとでは本書の魅力を伝えきれない。2015/12/05
ほしいもアボカド
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・・・只々、頭が下がる思いです。(そんなん言うより、行動せなあかんのやろな。)2015/06/23
ゆめ
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蓮池さんの翻訳で興味がありました。中国だからなせる技かなー2010/12/05
みな
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「休み休み、行こう、この世に急ぐことはひとつもね」2008/10/14
さくら🌸
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すごい話です。蓮池さんの文章も良い。2008/08/28