内容説明
シエナ、バーデン・バーデン、ニューヨーク、ル・アーヴル近郊の海岸、パリ、と場面を移し、男女の心理が繊細な筆致で描かれる。後期作品の萌芽も見られる。文豪ヘンリー・ジェイムズ、初期の実験作、本邦初訳
著者等紹介
水野尚之[ミズノナオユキ]
京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。梅花女子大学講師、京都大学教養部助教授を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かしこ
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なんかこれ、変な本だった。ヨーロッパ各地を移動して謎めいた女を追いかけて、その女を親友が好きになって。2017/10/18
HODGE
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視点となる人物バーナードが風景をスケッチしていると、その絵の構図の中心にある女性が入り込み……彼はその女性を描く。そのようにして出合った女性とその友人、そしてバーナードと友人の男女4人が、いかにして友情を保ったままそれぞれが結婚できるのか、というゲームが繰り広げられる。面白いのは視点人物バーナードの「モデルたち」がバーナードの観察(スケッチ)をことごとく裏切る行動を取るという仕掛けだ。一枚上手の観察対象者たち。信頼できないモデルを観察し、モデルに翻弄される観察者の自信喪失。まるでメタフィクションのようだ。2015/07/19
風緒ふわり
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相変わらずのヘンリー・ジェイムズワールドである。人の言動、事象に対してコネコネこねくり回す思考の嵐。しかもそれが翻訳だから「は?、これってどういう意味?」ということが何度もある。単純より複雑なのが好きなのね。途中でだから双方とも好きなんでしょ、ならそう言えば?と思った。それにしてもブランチのことを馬鹿娘と何度連呼したら気が済むのかというくらい炸裂していた。賢いアンジェラと対比されていたが単純で優しい可愛い娘で何が悪い?と思ったり。アンジェラのほうこそ素直ではないこじらせ娘のような気がしないでもない。2024/10/23
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