内容説明
イギリス・ロマン派の詩から19世紀イギリス小説への歩みは、悠久の波の逆巻く岸辺から「時」の色濃く渦巻く内陸部の奥への歩みに他ならない。本書はその足跡を辿った。
目次
第1部 ロマン派における「時」と「永遠」(ロマン派の子ども像―ブレイクとワーズワス;ワーズワスによる「永遠」の探求―「時」のもつ問題の解決;『逍遥』におけるワーズワスの時間意識―「平地」と「田舎墓地」 ほか)
第2部 ロマン派的自然観の継承と変質(シャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』―ジェーンの心象風景をめぐって;『フィリックス・ホールト』およびその他の「政治」小説再評価;エゴイストをめぐる二人の女―メレディス『エゴイスト』 ほか)
第3部 ロマン派的自然観からの逸脱と実存主義的人間観(ヘンリー・ジェイムズ「密林の野獣」―「生きる」ということ;ジェイムズはヴィクトリア朝作家の一人なのか―ジェイムズ的倫理感の特殊性について;ジェイムズの芸術的信念をめぐって―『悲劇の美神』に於けるゲイブリエル・ナッシュ再考 ほか)
著者等紹介
河村民部[カワムラミンブ]
専攻は英文学。1945年兵庫県に生まれる。1967年天理大学外国語学部英米学科卒業。1969年広島大学大学院文学研究科英語学英文学修了。現在、近畿大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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