出版社内容情報
曹操の大艦隊に圧倒された周瑜は、戦旗が当たったことを口実に寝込んでしまう。周瑜の不安を察した孔明は、火計を用いるには東南の風が必要だと説く。孔明は祭壇にたち、風を祈る。東南の風を呼び起こした孔明は、周瑜のもとを去り、敗走してくる曹操を迎え討つ準備を整える。周瑜率いる呉軍は火攻めの計で、曹操に一大決戦を挑む。
目次:
突風/東南風/誓紙/青竜旗/赤壁の戦い/敗走/炊煙/山越え/功なき関羽
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SIN EIM
19
【三国志最大の舞台】それが赤壁。映画レッドクリフもここが舞台である。陳寿の三国志で戦争被害だけでいえば、後年の夷陵の戦いも同じく火計で大被害が出ている。しかし、羅漢中の三国志演義においては何をおいても赤壁の戦いが大舞台である。一説によれば「曹操が南の様子を見るために軽い旅行気分で小船団で来た。呉が奇襲して弱い者いじめをした」ともあるがそんな事は知らんとにかく曹操が悪い(確信)冷戦時に映画で「西側」が正義でソ〇が悪だった。羅漢中の時代は北からの襲来が脅威。羅漢中は「北」から来る曹操を悪としてヒットした2025/05/13
gtn
13
孔明の計略が当たり、赤壁の戦いにおいて呉に大惨敗を喫した曹操。部下の大半を失い、敗走に敗走を重ねた先に立ちはだかる関羽。だが、昔受けた恩が脳裏から去らず、曹操を見逃す。関羽の唯一の弱点、情の厚さが肝心な場面で出てしまった。平時であれば、人として最も尊ぶべき姿であるが、大事の時、それがどれだけの禍根となるか。2024/02/24
わたー
12
★★★★★遂に運命の赤壁の戦いの火蓋が切って落とされる。過去に例を見ない程の大軍を用意して物量で押し切ろうとする曹操に対し、孔明の授けた策が炸裂する。増長した曹操の鼻っ柱を圧し折るかのような爽快さが良かった。続く、魏軍の撤退戦も、情に篤い関羽が曹操を敢えて逃すことや、それまでも見越して策を練っていた孔明の先見の明が素晴らしい。2020/03/29
みゃーこ
10
孔明毎年10月の東南の貿易風をすでに知っている。「軍師の智謀は神に通じる」と評された孔明当時としては神としておそれられたに違いない。自然を常に味方につけていた孔明を恐れた周喩は孔明を討とうとするも失敗。赤壁の戦いは魏の大惨敗に終わる。「関羽は驕る者には強く弱き者を助ける任侠に富んだ人であり、その義のために身を捨て深く恩を忘れず背次の士」であることも孔明は判っていながら関羽に義を返させたところもすごい。2012/12/04
noko
9
三国志で一番有名なお話とも言える、赤壁の戦い。色んな映画などで何度も出てきますね。孔明が気候を予想して、風を吹かせるわけですが、風が来てからのストーリーが今まで私が知っていた流れと違うアレンジでした。曹操はこの赤壁で、凄いことになります。そして関羽さんが…。劉備をはじめ、蜀の人達はみな人がいいと言うか、覇者になるにはつめが甘いところがあるので、読者としてはたまにイライラさせられます。2023/06/02