出版社内容情報
曹操と孫権の開戦を望む孔明は、単身呉に赴いた。降伏を主張する呉の重臣たちを相手に、孔明は大論陣を張る。決断を迷う孫権は、水軍提督・周瑜にすべてを委ねる。周瑜のもとを訪れた孔明は、巧みな心理戦で周瑜を動かし、開戦へとこぎつける。孔明の慧眼と知慮に恐れを抱いた周瑜は、孔明殺害の機会をひそかに狙い始める。
目次:
舌戦/火中の栗/水軍提督周瑜/開戦/殺意/暗殺計画/大水塞/群英の会
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
17
孔明が単身呉に乗り込み、曹操と決戦するよう誘導。それまで、呉は開戦論と降伏論の真っ二つに割れていたが、孔明の弁に勝てる訳もなく、到頭、曹操を打つべく火蓋が切られる。薄っぺらな策謀ではなく、信義に裏打ちされた孔明の智略が本巻の見せどころ。2024/02/22
SIN EIM
16
【孔明は卑怯か?】敵同士を戦わせ疲弊させる。戦略上難易度が高く、成果が絶大な謀略に挑む孔明。敵中に孤立する命がけの舌戦なのだが、日本人には卑怯と評されることもある。映画レッドクリフでも、孔明の行動にがっかりしたという意見も多かった。自分が裏で糸を引き、周囲を自在に操る様子が勇猛果敢な英雄とは思えないからだろう。日本で人気の宮本武蔵は自分が戦場に立ち、勝利した人物である。孔明は戦略、武蔵は戦術を極めた人物である。戦場を舞台としつつも、特性はまるで違う。孫子の兵法は日本人の美徳とは相性が悪いのかもしれない。2025/05/07
わたー
16
★★★★☆呉を相手取り、舌戦を繰り広げる孔明。魏と戦わせるために呉を動かし、周瑜の暗殺をヒラリと躱すその姿は、彼の本領発揮ともいうべきで非常に面白かった。2020/03/28
noko
8
孔明が呉に出向いて、援軍を頼みます。そこでの孔明の演説というか説得が見事。そして、周瑜と初めて会う。周瑜の決意も変えさせてしまう、ヤリ口がずるいながらもあっぱれ!周瑜の想像の数手先を見ている孔明。敵にすると恐ろしい。幼い頃、共に逃げて苦労したお兄さんとも再会する孔明。荒れている世では、家族ともどもというのでさえ、上手くいかないものなのですね。平和って尊い。孔明主役回でした。2023/06/01
幽谷響子
6
孔明が呉の重臣を説き伏せる巻。言葉のバトル故か字数が膨大で、全く別の漫画である。p. 29「だまらっしゃい」。 孔明は気象学の知恵に基づき東南の風の日に帰宅するという布石を敷く。 周瑜提督が厄介。2024/12/19
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