出版社内容情報
なぜ日本は泥沼化する日中戦争から抜け出せず、日米開戦へと突き進んだのか。破滅への道を食い止めることはできなかったのか。
東アジアを舞台に日本とアメリカの権謀術数が渦巻いたあの時代に日本が犯した過ちとは何か――。
戦後80年を迎えた今、知の巨人・佐藤優と歴史小説の雄・安部龍太郎が、近代史最大の動乱となったアジア・太平洋戦争を語り尽くし、この国の「影」と「罪」を暴く!
破滅への分水嶺を見極めろ!
〈佐藤―よく「歴史にif(もし)は禁物だ」と言いますけれども、石原莞爾が首に縄をつけてでも近衛を中国に連れていって蒋介石と会談させれば、日中戦争は確実に阻止できました。
安部─僕もそう思います。「近衛文麿・蒋介石会談に臨まないならば、私はここで自決する」と言うくらいの鬼気迫る勢いで説得するべきでした。
佐藤─日中戦争が阻止できていれば第二次世界大戦は起きませんでした。沖縄戦もないし、広島・長崎への原爆投下もなかった。戦争の惨禍を避けるため、首脳間で決断できる関係を常に作っておくことが非常に重要なのです。〉(本文より)