出版社内容情報
売れないアクション俳優を辞めて帰郷し、おでん屋で働き始めた独身アラフォー男。
そこは5店舗しか残っていないシャッター通りの商店街で、更地にして企業誘致するという計画もささやかれていた。そんなときに、地元テレビ局の食レポがあり、女子大生にそそのかされた男は忍者装束で対応したところ、思いも寄らない方向に評判が広がって引くに引けなくなってしまい……。
ムダな過去なんてない。
アクション俳優をあきらめたアラフォー男と、好奇心旺盛な女子大生。
二人の出会いがシャッター通りとなった商店街にうねりを巻き起こす!?
『民宿ひなた屋』著者による、人々と町の再生物語。
内容説明
売れないアクション俳優を辞めた近江貴仁は、佐賀に帰省して親戚が営むおでん屋で働き始める。しかし、そこは5店舗しか残っていないシャッター商店街で、更地にして企業誘致するという計画もささやかれていた。そんなときに、地元テレビ局の食レポがあり、文具店に居候する女子大生、鳥屋菜実にそそのかされた貴仁は忍者装束で対応したところ、思いも寄らない方向に評判が広がって、引くに引けなくってしまい…。
著者等紹介
山本甲士[ヤマモトコウシ]
1963年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
296
ひなたシリーズ屈指のしょうもないワンアイデアでの復活劇。売れないアクション俳優が忍者コスでおでん屋という、過去一脈絡のない組み合わせも、ほのぼのとした世界観で包んで綺麗な小品にまとめ上げている。『民宿ひなた屋』で否定的な声が多かった希実のキャラぶれが、おそらくなんらかのかたちでインスピレーションとなってこの作品に結実したと思われる点も興味深い。個人経営の洋品店や菓子店が長い目で見てV字回復するとは到底思えないが、このシリーズに関しては、都合のよいトントン拍子をどうこういうのは野暮というもの。2024/04/10
おしゃべりメガネ
105
「ひなた」シリーズの最新刊。前作の民宿から本作は商店街へ舞台を移し、前作同様、まさかまさかの逆転サクセスストーリーの仕上がりです。アクション俳優に見切りをつけて故郷へと戻ったアラフォーの「貴仁」は親戚のおでん屋を手伝うコトに。近所の流れで出会った女子大生「菜実」にふとしたコトから忍者コスプレをすすめられ、まさかコレが運命を大きく左右するとは。黒澤明さんの『椿三十郎』やブルース・リーの映画ネタが出てきて、ファンはにんまりです。個人的には話の展開は前作の方が好みで、相方キャラは本作「菜実」のほうが好みかな。2024/04/23
タイ子
98
東京でアクション俳優をしていた男が故郷の佐賀に帰って来る。叔父さん夫婦のおでん屋を手伝い始めるもそこはシャッター商店街。昔は20軒あった店舗も今では5店が残るのみ。そんな時、地元TV局から食レポの要請があり、昔取った杵柄で忍者のスタイルになったところ大ウケ。それを提案したのが女子大生。彼女のネット配信のおかげで商店街、ひいては他の4店舗の活気も徐々に持ち直していく。好事魔多しで議会で商店街を潰す計画が持ち上がり…。多少冗長気味ではあるが寂れつつある商店街活性化再生物語としては面白い。にゃんこ師匠いいな。2024/03/08
ゆみねこ
85
アクション俳優を辞め故郷の佐賀に戻った近江貴仁。叔母夫婦が営むおでん屋を手伝うことになるが、そこは寂れたシャッター通り商店街。残っているのはおでん屋を含めたった五軒。文具店に居候している女子大生・菜実との出会い、忍者装束でお客に対応したところから大きく変わってゆく商店街。上手く行き過ぎな感はあるが、そこは楽しく読めたのでOK。こんな風にインバウンドやSNSを取り込んで再生する商店街があっても良い。面白かった!2024/04/05
カブ
44
ストレスが溜まる出来事が続いてたので、悪い人は1人も登場しないこのお話はほんとに心がホッとしました。佐賀の5店舗しか残っていないシャッター商店街奇跡の復活物語。最後にはステキなロマンス?続きが読みたい。2024/03/24