出版社内容情報
もし彼女の働きがなかったら、
日本の歴史が少し違ったことになっていたかもしれない(著者)
52歳で志を立て、信州飯田から京へのぼった歌人・多勢子は、岩倉具視の命を助け、孝明天皇暗殺の幕府方の密謀を探り出すなど若き男性志士たちと共に命がけで国事に奔走する。
「武士(もののふ)の 赤き心を語りつつ 明くるや惜しき、春の夜の夢」(松尾多勢子)
随所にちりばめられる多勢子の和歌。その歌に込められた想いとは――。
明治維新の渦中、国ために戦った女性勤王志士の物語!
著者による「文庫版に寄せて」を加筆!
巻末には文芸評論家の縄田一男氏による「解説」を掲載!
内容説明
風雲急を告げる都の情勢は信濃の地にも届いていた。信州飯田に生まれ、豊丘の造り酒屋に嫁いだ歌人の松尾多勢子は、勤王の志を胸に、52歳にして単身で上洛を決意する。天誅が横行する不穏な京都で、多勢子は隠密として若き志士たちの危機を救い、窮地に陥っていた岩倉具視の命を助ける。さらに、幕府方による孝明天皇の暗殺の密謀を探り出して国事に奔走する。幕末の動乱において自身の信念を貫いた女性の物語。
著者等紹介
古川智映子[フルカワチエコ]
1932年、青森県弘前市に生まれる。県立弘前中央高校、東京女子大学文学部。国立国語研究所で『国語年鑑』の編集に従事。その後は高校教諭を経て、執筆活動に入る。日本文藝家協会会員。ヴィクトル・ユゴー文化賞受賞。潮出版社文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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