出版社内容情報
舞台は佐賀県!
積み重ねてきたものは、いつか役に立ってくれる。
夢破れたアラフォー男と、希望を見いだせない不登校の女子中学生。
〔負け組〕コンビが奇跡を起こす!
プロの釣り師になる夢がかなわず、実家の民宿を継ぐことにした男。
宿泊客は減り続け、両親はとっくに閉店ガラガラモード。
が、男の経験と、不登校女子の好奇心がリンクしての逆転劇が始まる!
『ひなた弁当』『ひなたストア』の著者が描く再生の物語。
内容説明
プロの釣り師として活躍する夢に破れた古場粘児は、佐賀に帰省して実家が経営する小さな民宿ひなた屋を継ごうとするが、時代の流れもあって既に経営破綻寸前。その上、他の職探しにも失敗し、交際中の女性がケガで入院したため中学生の娘・希実まで預かることに。しかし、気まずい関係だった希実が釣りに興味を示したことをきっかけに、ひなた屋大復活のアイデアが?!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
352
ひさしぶりのひなたシリーズ。着々と支持層を広げているようで何より。現実味のないトントン拍子や、商売としてリスクだらけに思える自給自足スピリットも、嫌みに感じさせないホッコリ度が持ち味。作中の時間経過は半年ないくらいか?普通であればまともな作品にならなさそうな飛躍も、小説ならではのダイナミズムとして成立している。多くのレビューでも言及されているように、希美が途中から別人のようになった違和感がすごい点と、知希が結局最後まで話に絡んでこなかったところはやや心残り。もう少し先まで描いて終わらせてほしかった。2024/04/03
あすなろ
125
ひなた弁当を読んだのはいつだったっけ。そんな佳き記憶から手にした山本氏のこちらの作品なのである。やはりイイ。何というか、ひなた弁当同様、生きる気力というかやる気を頂ける作品。そのひなた弁当とどう繋がるのか知らずに実は読んだのだが、用いるモチーフが同じまたは似ていて発展形の様な作品だった。中年男性諸氏向けかもしれぬが僕は一気に読み進められた。最新刊も以前書店で見かけたので、順に読んでいこう。2024/04/21
タイ子
117
佐賀の田舎町で育ち、実家の民宿経営を親に任せて好きな道に進んだ粘児。都会に出て釣りライターとして名を馳せるも雑誌が廃刊。勝手ながら戻ってまいりましたと実家に帰っても未だ元気な両親は民宿を継がせる意思なぞなし。就活をしてみても上手く行かず、そんな時父親が入院。さてさて、そこから粘児の一発逆転劇の始まり。交際中のバツイチ彼女の14歳の娘がやってきて女神様降臨!彼女のアイデアと、粘児の釣り好きが高じて民宿はV字傾向に。やっぱ、人生は全てムダじゃないことを教えてくれる。そして、1人では生きて行けないことも。2023/01/02
みかん🍊
108
釣りライターとしてマスコミにも出ていた粘児は雑誌の廃刊により仕事を無くし佐賀にある実家の民宿を継ごうととするが、民宿は継がない釣りで生きて行くと大見得を切って出た事で母親に断られてしまうが父親の入院で計らずと手伝いをしている中、恋人の中学生の娘を預かる事となる、彼女と仲良くなる為釣りをするうち釣った魚が地元食材を使った宿として人気が出て、傾きかけていた民宿を立て直す事に、ベクトルが違うと思っていた事も役に立ちどんな経験無駄でなかった事に気がつく、とんとん拍子ではあるが、気持ちのいい作品だった。2023/04/06
ゆみねこ
106
プロの釣り師として雑誌に記事を書きそこそこの活躍をしていた古場粘児は、雑誌の廃刊で仕事を失い佐賀の実家に戻る。両親が経営する小さな民宿「ひなた屋」を継ごうとするが、経営不振で破綻寸前。父の病気、交際相手の入院で彼女の中学生の娘・希実を預かることに。気まずい関係だった希実が釣りに興味を示しそれをきっかけにひなた屋復活の大逆転!上手く行き過ぎとも思えるが、川釣りの楽しさや魚の料理のアイディアを楽しく読むことが出来た。続編があれば嬉しい!2022/12/24