出版社内容情報
シークワーサーの台木に、甘い蜜柑の穂木を接ぐ接ぎ木の映像を見た主人公は、幼い頃の生々しい匂いが満ちた混乱の記憶を呼び起こしてしまう「接ぎ木」。聡子の友だちは14歳になってすぐに病気で亡くなってしまうが、数日後の夕方、誰もいない音楽室から知っているピアノの曲が聞こえて、亡くなった友だちに思いを馳せる「迷鳥(まよいどり)」。死者に触れてしまったことでしばらくの期間、物忌みの日々を過ごさなければならなかった平安時代の貴公子・在原業平は、その日々を手の先からするりと消える蛍になぞらえた。現代にもまた、儚い思い出から抜け出そうと生きる男がいる「蛍」などをはじめ、場所も時代も立場も様々な人間模様を、まるで空想と現実が混ざり合ったような不思議な物語として描く珠玉の短編24編を収録。
内容説明
接ぎ木の映像を見た女性は幼い頃の生々しい匂いが満ちた混乱の記憶を呼び起こす…「接ぎ木」、誰もいない音楽室から、数日前に亡くなった友だちが奏でるピアノの曲が聞こえて…「迷鳥」、平安時代の貴公子・在原業平は儚い日々を蛍になぞらえた。現代にもまた、そんな男がいる…「蛍」のほか、場所も時代も立場も様々な人間模様を、空想と現実が混ざり合う不思議な物語として描く珠玉の短編24編を収録。
著者等紹介
〓樹のぶ子[タカギノブコ]
1946年山口県生まれ。東京女子大学短期大学部卒業。84年『光抱く友よ』で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、10年「トモスイ」で川端康成文学賞、20年『小説伊勢物語 業平』で泉鏡花文学賞を受賞。09年柴綬褒章受章。18年文化功労者に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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