内容説明
夏目漱石が松山時代を過ごした下宿先の孫娘「より江」は、幼い頃から漱石夫妻や正岡子規に可愛がられ、美しい才女へと成長。医学生だった久保猪之吉と出会う―。『吾輩は猫である』に登場する雪江のモデルとされ、泉鏡花、柳原白蓮とも親交のあった俳人・歌人の久保より江。明るくしなやかに生きる少女の物語を、高浜虚子、寺田寅彦ら錚々たる文化人との逸話を盛り込みながら、情緒豊かに描き出す。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年、茨城県生まれ。古書店を営むかたわら作家活動に入る。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞、93年『佃島ふたり書房』で直木賞、2015年『短篇集 半分コ』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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